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障害福祉サービスの運営指導では何を見られる?普段から準備しておきたい書類【静岡県の行政書士が解説】

障害福祉サービス事業所を運営していると、「運営指導では何を確認されるのだろう」「どんな書類を準備しておけばいいのだろう」と不安に感じることがあるかもしれません。

静岡県では、障害福祉サービスが適切に提供されているか、また、介護給付費や訓練等給付費などが正しく請求されているかを確認するため、令和8年度の障害福祉サービス事業者等指導方針を公表しています。

また、事業者への指導については、問題点を指摘することだけを目的とするものではなく、よりよい障害福祉サービスの実現に向けて、事業者を育成・支援することを主眼とするとされています。

今回は、静岡県の障害福祉サービス事業所を中心に、運営指導で確認される主なポイントと、日頃から整理しておきたい書類について解説します。

 

運営指導では何を確認される?

厚生労働省の「指定障害福祉サービス事業者等に対する集団指導・運営指導マニュアル」では、運営指導は、原則として「確認項目及び確認文書」に基づき、関係書類の閲覧や関係者への面談によって行うとされています。

必要に応じて、あらかじめ示された確認文書以外の資料を確認する場合もあります。

そのため、運営指導では、単に書類がそろっているかだけでなく、書類の内容と実際の事業所運営が一致しているかも重要になります。

また、障害者総合支援法第48条では、都道府県知事等は、必要があると認める場合、指定障害福祉サービス事業者等に対して報告を求めたり、帳簿書類等の提出・提示を求めたり、関係者への質問や事業所への立入検査を行ったりすることができると定められています。

 

人員基準と実際の勤務状況

静岡県の令和8年度指導方針では、「人員基準の遵守及び勤務体制の確保」が重点事項の一つに挙げられています。

確認されるのは、職員が在籍しているかどうかだけではありません。

静岡県は、従業者の勤務状況を明確にする資料や記録を作成・保管していない場合や、生活支援員と職業指導員などを兼務する職員について、それぞれの職務に従事した時間が明確になっていない場合などを、改善指導や給付費返還指導につながる可能性のある事例として示しています。

また、サービス管理責任者等が送迎や直接支援業務に長時間従事し、本来求められる役割を十分に果たせていない場合にも注意が必要です。

厚生労働省の運営指導マニュアルでも、勤務体制一覧表のほか、勤務実績表やタイムカードなどを確認し、実際に必要な員数が確保されているかを確認するとしています。

静岡県が運営指導当日の準備資料として示しているものには、勤務予定、出勤簿・タイムカード、資格証、実務経験証明書、辞令、雇用契約書などがあります。

また、各種加算を算定している場合には、その算定要件を満たしていることを確認できる資料も重要です。

福祉・介護職員等処遇改善加算についても、計画書や実績報告書、賃金改善の実施状況を確認できる資料などを整理しておく必要があります。

 

個別支援計画は作成の過程も重要

生活介護、就労継続支援A型・B型などでは、個別支援計画も重要な確認項目です。

静岡県の令和8年度指導方針では、利用者の状況や希望、課題などを把握するアセスメントを行い、その内容を踏まえて個別支援計画の原案を作成し、関係職員等による検討、利用者等への説明・同意、計画の交付、モニタリング、見直しを行う一連の流れが示されています。

つまり、完成した個別支援計画書が保管されているだけではなく、その計画をどのような過程で作成したのかが分かる記録も重要になります。

静岡県の運営指導当日準備資料でも、「個別支援計画」だけではなく「個別支援計画・作成資料」とされています。

アセスメント記録、原案、会議や検討の記録、説明・同意を確認できる資料、モニタリング記録などについて、適切に整理しておく必要があります。

なお、指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準では、サービス種別ごとに、人員配置やサービス提供、個別支援計画等に関する基準が定められています。

 

加算・報酬請求は「記録で説明できるか」がポイント

運営指導で特に注意したいのが、基本報酬や各種加算の請求です。

静岡県は令和8年度指導方針で、報酬の算定要件を満たしていることが記録上確認できない事例が見受けられるとしています。

実際には要件を満たしていたとしても、それを記録によって確認できなければ、不適切な報酬請求として指導対象になる可能性があります。

また、静岡県は、報酬告示に定められた算定要件を満たしていることについて、事業者側に説明責任があるとしています。

厚生労働省の運営指導マニュアルでも、各種加算について、報酬基準上の算定要件を満たしているかを確認するとしています。

その際には、勤務実績、個別支援計画、サービス提供記録など、複数の資料を用いて確認する場合があります。

加算については、体制届を提出した時点だけではなく、その後も算定要件を満たし続けていることが必要です。

職員の退職や勤務時間の変更などがあった場合には、現在の体制でも引き続き算定できるか確認する必要があります。

 

虐待防止・身体拘束等の適正化

静岡県の令和8年度指導方針では、利用者の安全・安心の確保とサービスの質の向上に関する項目についても確認するとしています。

虐待防止については、虐待防止委員会の定期的な開催、結果の従業者への周知、従業者への定期的な研修、担当者の設置などが確認事項となっています。

身体拘束等についても、緊急やむを得ない場合を除いて身体拘束等を行わないことに加え、やむを得ず行った場合の記録、身体拘束等適正化のための委員会、指針、研修などが求められています。

委員会や研修を実施した際には、議事録や研修記録など、実施したことを確認できる資料を残しておくことが必要です。

 

BCP・非常災害対策

非常災害対策や業務継続計画(BCP)についても確認されます。

厚生労働省の運営指導マニュアルでは、火災、風水害、地震などの非常災害への対応マニュアルや計画を策定し、それに基づく避難・救出訓練が定期的に実施されているかを確認するとしています。

また、業務継続計画(BCP)についても、計画が策定されているか、その内容や運用状況について確認するとされています。

静岡県の令和8年度指導方針でも、非常災害計画の作成、従業者への周知、定期的な避難・救出訓練などが確認事項に挙げられています。

そのため、計画書そのものに加え、研修や訓練の実施記録も整理しておく必要があります。

なお、当事務所では、障害福祉サービス事業所向けの業務継続計画(BCP)の作成についても対応しています。「まだBCPを作成できていない」「既存の内容を見直したい」といった場合もご相談いただけます。

 

静岡県が示している運営指導当日の準備資料

静岡県では、運営指導当日に準備する資料を公式ホームページで公表しています。

主なものとして、人員関係では、勤務予定、出勤簿・タイムカード、資格証、実務経験証明書、辞令、雇用契約書等があります。

運営関係では、運営規程、利用契約書、重要事項説明書、利用記録、ケース記録、日報、個別支援計画・作成資料等が挙げられています。

請求関係では、請求明細、サービス提供実績記録、給付費や自己負担額の請求・領収に関する資料等です。

さらに、就労系サービスでは、生産活動に関する出納簿、決算関係書類、請負契約、施設外での活動に関する記録等も示されています。

また、静岡県のホームページでは、サービス種別ごとの「主眼事項・着眼点」も公開されています。

運営指導の対象となった場合には、自事業所のサービス種別について、どの項目が確認対象となっているかを確認しておくことが大切です。

 

運営指導への一番の備えは、日頃の運営を整えること

運営指導への対応は、通知が届いてから書類を作り直すことではありません。

厚生労働省の運営指導マニュアルでも、事業者自身が基準等への適合状況について自己点検を行うことが推奨されています。

特に障害福祉サービスでは、職員の入退職、勤務時間の変更、利用者数の変化、加算の追加や変更などによって、必要な対応が変わることがあります。

そのため、定期的に人員配置や加算の算定状況、各種記録、届出内容などを確認しておくことが、結果として運営指導への備えにつながります。

 

障害福祉サービス事業所の運営・届出についてご相談ください

障害福祉サービスは、指定を受けた後も、人員配置、各種加算、変更届・体制届、個別支援計画、BCPなど、継続的に確認しなければならない事項があります。

「職員が退職したけれど、人員基準は大丈夫?」

「この変更は変更届が必要?」

「今算定している加算を、このまま算定してよいのか分からない」

「BCPをまだ作成できていない」

「運営指導の通知が届いたが、何から確認すればいいのか分からない」

このようなお悩みがある場合には、早めに現在の運営状況を整理しておくことをおすすめします。

当事務所では、静岡県の障害福祉サービス事業者様を対象に、指定申請だけでなく、変更届・体制届、加算関係の手続き、BCPの作成、指定後の運営に関するご相談にも対応しています。

また、継続的に事業所の運営や届出を確認したい事業者様には、顧問契約によるサポートも行っています。

障害福祉サービス事業所を運営していると、「これって届出が必要?」「この場合はどうすればいい?」という疑問が突然出てくることがあります。

そうした疑問を必要なタイミングで確認できる体制を整えておくことで、日々の適正な事業運営にもつながります。

 

静岡県で障害福祉サービス事業所の運営、各種届出、BCPの作成についてお困りの際は、お気軽にご相談ください。

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※本記事は、2026年9月20日現在、静岡県、厚生労働省及びe-Gov法令検索で公開されている資料・法令をもとに作成しています。実際に必要となる対応や書類は、サービス種別、指定権者、事業所の状況等によって異なる場合があります。最新の法令、通知、指定権者の案内等をご確認ください。

参考資料

・静岡県「障害福祉サービス事業者等指導資料(通常時・書面指導時)」
https://www.pref.shizuoka.jp/kenkofukushi/shogaifukushi/shogaifukushijigyosha/1023488.html

・静岡県「令和8年度静岡県障害福祉サービス事業者等指導方針」
静岡県「障害福祉サービス事業者等指導資料」掲載資料

・厚生労働省「障害福祉分野における指導監督」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/kanriseibi/index.html

・厚生労働省「指定障害福祉サービス事業者等に対する集団指導・運営指導マニュアル(令和8年6月)」
厚生労働省「障害福祉分野における指導監督」掲載資料

・e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」

・e-Gov法令検索「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」

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