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ちょっと役立つコラム
9.192026
障害福祉サービスの加算要件を満たさなくなったら?速やかに確認したい届出【静岡県の行政書士が解説】

障害福祉サービス事業所では、職員配置や資格者の配置、支援体制など、一定の要件を満たすことで各種の加算を算定していることがあります。
ところが、事業所を運営していると、
| 「加算の対象となっていた職員が退職した」 「勤務時間が変わった」 「資格を持つ職員の配置状況が変わった」 「これまで算定していた加算の区分を維持できないかもしれない」 |
といったことが起こることがあります。
このような場合に注意したいのが、加算の要件を満たさなくなったにもかかわらず、そのまま請求を続けてしまうことです。
加算にはそれぞれ算定要件があります。そのため、事業所の体制に変更があった場合には、現在もその加算の要件を満たしているのかを確認し、必要に応じて速やかに届出を行う必要があります。
今回は、静岡県内の障害福祉サービス事業所を念頭に、加算の要件を満たさなくなった可能性がある場合に確認しておきたいポイントについて解説します。
加算は一度届出をすればずっと算定できるものではありません
障害福祉サービスの加算には、それぞれ算定するための要件が定められています。
人員配置が要件となっている加算もあれば、資格や経験年数、支援体制、実績などが要件となっているものもあります。
そのため、新しく加算を算定するときだけ要件を確認すればよいわけではありません。
事業所の職員配置や運営状況が変わった場合には、変更後も引き続き算定要件を満たしているのかを確認することが大切です。
厚生労働省の留意事項通知では、事業所の体制について、加算等を算定できなくなる状況が生じた場合、または算定できなくなることが明らかになった場合には、速やかにその旨を届け出る取扱いとされています。
つまり、
「以前届出をしているから大丈夫」
ではなく、
「現在の事業所の体制でも要件を満たしているか」
を見る必要があります。
静岡県では「変更・終了後、速やかに」
静岡県が指定権者となる障害福祉サービス事業所については、「申請や届出の提出期限及び提出方法について」というページで、各種届出の期限が案内されています。
新たな加算の算定など、算定単位数が増加する場合の各種加算届は、原則として各月15日までに提出すると翌月から適用となります。
一方、それ以外の各種加算届については、
「変更・終了後、速やかに」
とされています。
ここは混同しやすいところです。
「加算届は15日まで」と覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、15日という期限は、主に新たに加算を算定するなど、算定単位数が増える場合の取扱いです。
これまで算定していた加算について要件を満たさなくなった場合には、次の15日まで待てばよいということではなく、要件を確認したうえで速やかに対応する必要があります。
届出を提出した日まで加算を算定できるとは限りません
もう一つ注意したいのが、「届出を提出した日までは加算を算定してよいのか」という点です。
厚生労働省の留意事項通知では、事業所の体制について加算等を算定できなくなる状況が生じた場合、または算定できなくなることが明らかになった場合には、速やかにその旨を届け出ることとされています。
また、原則として、加算等を算定できなくなった事実が発生した日から、その加算等を算定しないという取扱いが示されています。
そのため、「月末に体制届を提出したから、月末までは今までの加算を算定できる」とは限りません。
重要なのは、届出を提出した日だけで判断するのではなく、その加算の算定要件をいつから満たさなくなったのかを確認することです。
ただし、一部の加算については算定できなくなる時期について別の取扱いが定められているため、実際には対象となる加算ごとの要件や通知を確認する必要があります。
また、職員が1人退職したからといって、必ずその退職日からすべての加算が算定できなくなるわけではありません。
その職員がどの加算の要件に関係していたのか、退職後の職員配置でも要件を満たしているのかなどを確認したうえで判断することが大切です。
職員が退職したら、まず加算への影響を確認
たとえば、加算の要件に関係する職員が退職した場合を考えてみましょう。
この場合、最初に確認したいのは、現在事業所が算定している加算のうち、どの加算にその職員が関係しているのかという点です。
職員が1人退職したからといって、事業所が算定している加算をすべて取り下げるわけではありません。
反対に、「最低人員は満たしているから大丈夫」とも限りません。
指定基準上必要な人員配置と、各加算を算定するために求められる人員配置は別に確認する必要があります。
そのため、
| ・現在算定している加算は何か ・その加算の算定要件は何か ・変更後の職員配置で要件を満たしているか ・常勤換算等の再計算が必要か ・加算自体が算定できなくなるのか ・別の区分であれば算定できるのか |
といった点を確認していきます。
「職員が辞めた=加算終了」と単純に判断するのではなく、まず対象となる加算の要件を確認することが大切です。
加算の変更・終了と「変更届」は提出期限が異なります
ここで注意したいのが、「変更届」と「各種加算届」は別の届出であり、提出期限も異なるという点です。
静岡県の案内では、指定に関する変更届は「変更後10日以内」が提出期限とされています。
一方、加算に関する届出については、
・算定単位数が増加する場合は、原則として各月15日まで
・それ以外の場合は、「変更・終了後、速やかに」
とされています。
そのため、たとえば職員の退職などによって、これまで算定していた加算の要件を満たさなくなった場合には、まず各種加算届について速やかに対応する必要があるかを確認します。
さらに、その職員の退職や配置変更などが、障害者総合支援法上の変更届の対象事項にも該当する場合には、別途、変更後10日以内に変更届を提出する必要があります。
つまり、
「加算を変更・終了する届出」と「指定内容に関する変更届」は同じものではありません。
一つの出来事によって両方の手続きが必要になる場合もありますが、必ず両方を提出するということではなく、何が変更になったのかによって必要な手続きを確認します。
たとえば職員が退職した場合でも、その職員がどの加算の算定要件に関係しているのか、また、その退職が変更届の対象となる事項なのかをそれぞれ確認することが大切です。
「変更があったから10日以内に全部出せばよい」「加算関係だから次の15日まで待てばよい」と一括りにせず、届出の種類ごとに提出期限を確認する必要があります。
要件を満たしていないまま請求を続けることには注意
加算要件を満たさなくなっているにもかかわらず、届出をしないまま加算を算定し続けることは避けなければなりません。
厚生労働省の留意事項通知では、加算等を算定できなくなったにもかかわらず届出を行わず、その算定について請求した場合には、不正請求となり、支払われた介護給付費等について返還措置を講ずることになる旨が示されています。
また、不正・不当な届出が繰り返されるなど悪質な場合には、指定取消しをもって対処する旨も示されています。
そのため、「次回の請求から外しておけば大丈夫だろう」と自己判断するのではなく、まず、いつから要件を満たさなくなっていたのかを確認することが重要です。
すでに請求済みの期間について要件を満たしていなかった可能性がある場合には、指定権者への確認を含め、過去の請求についても対応が必要になることがあります。
加算や届出で迷ったら、早めに確認を
障害福祉サービスの加算は種類が多く、それぞれ算定要件や判定方法が異なります。
そのため、職員の退職や勤務形態の変更などがあった場合に、
「この加算は継続できるのか」
「体制届は必要なのか」
「変更届も必要なのか」
「いつから加算を外す必要があるのか」
と判断に迷うこともあります。
このような場合には、分からないまま請求を続けるのではなく、現在の事業所の体制と、算定している加算の要件を照らし合わせて早めに確認することが大切です。
日々の支援や職員対応を行いながら、加算要件や届出まで継続して管理することは、事業所にとって負担になりやすい部分でもあります。
おばた行政書士事務所では、静岡県内の障害福祉サービス事業所を対象に、変更届、体制届、加算に関する確認や手続きのサポートを行っています。
また、「職員が変更になるたびに必要な届出が分からない」「現在算定している加算を継続できるか確認したい」といった場合には、継続的な顧問契約によるサポートも行っています。
「この加算、今の体制でも大丈夫かな?」と気になった段階で確認しておくことが大切です。
障害福祉サービスの加算や変更届、体制届についてお困りの場合は、お気軽にお問い合わせください。

参考資料
・静岡県「申請や届出の提出期限及び提出方法について」
・静岡県「障害福祉サービス(訪問・通所・入所)加算関係(体制届)書式」
・静岡県「障害者サービス(訪問・通所・入所)変更届書式」
・厚生労働省「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービス等及び基準該当障害福祉サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の制定に伴う実施上の留意事項について」
・障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律その他関係法令
※制度や様式は改正されることがあります。実際に届出を行う際には、最新の法令、通知及び指定権者の案内をご確認ください。











