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スマホやパソコン、SNSのデータを死後に見られないようにする3つの対策

自分が亡くなった時にどうしても相続人に見られたくないパソコン、スマホ等のデータは一つや二つ…あるかもしれません。

これらのデータ、できれば生きているときに対処したいですよね?

今回は自分は亡くなる前に見られたくないデータをどうすれば良いのかの3つの方法について解説します。

 

1.死後事務委任契約

相続人以外の第三者との間で死後事務委任契約を締結し、当該データの削除等をすることが考えられます。

しかし、相続財産に含まれるデジタル遺産については、実際には相続人の目に触れないようにすることは困難ですので、あらかじめ削除することが望ましいと考えます。

死後事務委任とは、一般的には、委任者が、死亡した後の葬儀・納骨・埋葬に関する各種手続を委任する場合に利用されることが多いですが、デジタル財産の保有者がデジタル遺産の管理をすることもできることになります。

死後事務委任契約を利用する場合には、デジタル遺産が相続財産に含まれるか否かに関係なく、当該デジタル遺産の処理を委託することができることになります。

 

2.負担付遺贈

負担付遺贈とは、受贈者に一定の法律上の義務を負担させる遺贈であり、負担とは、受遺者に一定の法律上の義務ないし債務であり、その内容は受遺者の行為(作為または不作為)である必要があります。遺贈の目的と全く関係なく、遺言執行者となることや、ある者の看護、世話をすることを負担とすることもできます。

この制度を利用してデジタル遺産の処理を負担の内容として相続財産を遺贈することによって、相続人等受遺者に対して、デジタル遺産の処理を任せることも可能となります。

しかし、負担付遺贈を受けた受遺者は、それを放棄することができるため(民法986条1項)、受遺者に放棄された場合には、希望通りデジタル遺産を処理できない可能性もあります。

 

3.遺言執行者に任せることはできるのか?

遺言において遺言執行者を指定し、遺言執行者にデジタル遺産の処理を任せることはできるのでしょうか?

遺言執行者とは、遺言者に代わって、遺言の内容を実現するために必要な事務処理を行う者です。そして、遺言執行者は、遺言の内容を実現するため、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有するとされています(民法1012条1項)。つまり、遺言執行者は法的に遺言事項である内容を実現するための権利義務を有するのみであるため、相続財産に含まれるデジタル遺産については、遺言執行者の処理に任せることができます。しかし、相続財産に含まれないデジタル遺産の処理を任せるこができないことになります。

 

以上の3つから一番良いのは死後事務委任契約を結んでおく方法が良いのではないでしょうか。

 

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