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業務委託契約書の作成を行政書士に依頼できる?【静岡県の行政書士が解説】

事業を行っていると、外部の事業者や個人に仕事を依頼する機会があります。

例えば、ホームページの制作や事務作業、清掃業務、コンサルティングなど、自社では対応しきれない仕事を外部に任せることもあるでしょう。

そのような場合に作成する書類の一つが「業務委託契約書」です。

しかし、業務委託契約書を初めて作成する方の中には、「どのような契約書を作ればいいの?」「行政書士に作成を依頼できるの?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

結論から申し上げると、業務委託契約書の作成は行政書士に依頼することができます。

ただし、業務委託契約にはいくつかの種類があり、依頼する仕事の内容によって契約書の作り方も異なります。

今回は、業務委託契約書の作成を行政書士に依頼できる根拠や、契約の種類、作成を依頼する際に確認しておきたいことなどについて解説します。

 

業務委託契約書は行政書士に作成を依頼できる?

行政書士法第1条の3第1項では、行政書士の業務として、官公署に提出する書類のほか、権利義務又は事実証明に関する書類の作成が定められています。

業務委託契約書は、仕事を依頼する側と引き受ける側の権利や義務について定める書類ですので、行政書士が作成できる書類に該当します。

例えば、新しく取引先と業務委託契約を結ぶ場合や、個人事業主に継続的な業務を依頼する場合など、契約内容に応じた書類の作成を依頼できます。

ただし、他の法律によって業務が制限されている場合には、行政書士が対応することはできません。

 

業務委託契約には「請負」と「準委任」がある

業務委託契約書を作成する際に知っておきたいのが、業務委託という名称だけで契約の種類が決まるわけではないということです。

実は、民法には「業務委託契約」という名称の独立した契約類型は規定されていません。

一般的な業務委託契約には、請負契約や準委任契約などの性質を持つものがあります。

請負契約とは?

民法第632条では、請負について、仕事の完成を約束し、その仕事の結果に対して報酬を支払う契約と定めています。

例えば、ホームページの制作や特定の成果物の作成を依頼する場合などが考えられます。

請負契約では、約束した仕事を完成させることが重要になります。

そのため、契約書を作成する際にも、どのような仕事の完成を求めるのか、完成したものをどのように確認するのかといった点が関係してきます。

準委任契約とは?

民法第643条では、法律行為を委託する契約を「委任」と定めています。

また、民法第656条では、法律行為ではない事務の委託についても、委任の規定を準用するとされています。

これが準委任契約です。

例えば、継続的な事務作業や一定の業務支援など、仕事の完成ではなく、事務の遂行を目的とする場合が考えられます。

なお、準委任契約であっても、業務の成果に対して報酬を支払う形態が認められています(民法第648条の2)。

そのため、成果物の有無だけで請負契約か準委任契約かを判断することはできません。

大切なのは、実際にどのような仕事を依頼し、相手方がどのような義務を負うのかという点です。

契約書の名称を「業務委託契約書」としていても、その内容によって適用される民法の規定が異なることがあります。

請負と準委任の違いを簡単にまとめると、次のとおりです

 

業務委託契約書の作成を依頼できる具体例

行政書士に業務委託契約書の作成を依頼する場合、どのような取引が考えられるのでしょうか。

ここでは、いくつかの例をご紹介します。

ホームページやデザイン制作を依頼する場合

ホームページや広告用のデザインなどを外部の事業者に依頼する場合です。

例えば、ホームページを新しく制作する場合と、完成したホームページの更新作業を継続的に依頼する場合とでは、業務の内容が異なります。

前者では仕事の完成が中心になる一方、後者では継続的な事務の遂行が中心になることも考えられます。

また、制作物に著作物が含まれる場合には、著作権についても確認が必要になることがあります。

著作権法第17条では著作者の権利について定められており、同法第61条では著作権の譲渡について規定されています。

制作費を支払ったからといって、当然にすべての著作権が依頼者へ移転するわけではありません。

そのため、制作物をどのように利用する予定なのかも、契約書を作成する際に確認しておきたい事項です。

事務作業を外部に委託する場合

経理補助やデータ入力、書類整理などの事務作業を外部の事業者に依頼する場合です。

このような取引では、一定の事務を継続的に処理してもらうことが目的になる場合があります。

また、毎月同じ業務を依頼する場合もあれば、必要なときだけ個別に業務を依頼する場合もあるでしょう。

そのため、継続的に業務を委託するのか、個別の発注ごとに契約するのかによっても、契約書の構成が変わってきます。

なお、税務代理など、法律により特定の資格者に認められている業務を委託する場合には、それぞれの関係法令にも注意が必要です。

清掃や施設管理などを委託する場合

店舗や施設の清掃、設備の管理などを外部の事業者に依頼する場合も、業務委託契約書を作成することができます。

例えば、定期的な清掃を依頼する場合と、特定の作業を一度だけ依頼する場合とでは、契約の内容も異なります。

また、施設管理という名称であっても、実際に委託する業務の内容はさまざまです。

業務によっては、許認可や資格などが必要となる場合もあるため、契約書の作成とは別に確認しなければならない事項があることにも注意しましょう。

 

継続的な業務委託では基本契約書と個別契約書を使う方法も

業務委託契約では、同じ事業者との間で繰り返し取引を行うこともあります。

例えば、ホームページの制作会社に、毎月異なる制作物を依頼する場合などです。

このような取引では、毎回すべての契約条件を定め直すのではなく、基本契約書と個別契約書を組み合わせる方法があります。

基本契約書には、継続する取引に共通する条件を定め、個別契約書などには、それぞれの発注内容に応じた条件を記載するという方法です。

ただし、すべての業務委託契約で基本契約書と個別契約書を分ける必要があるわけではありません。

一度限りの取引であれば、一つの契約書で対応できる場合もあります。

また、基本契約書を作成した場合であっても、個別の発注内容について別途確認が必要になることがあります。

どのような書類を作成するのが適切かは、取引の方法や頻度によって検討することになります。

フリーランスとの業務委託契約で注意したいこと

個人事業主やフリーランスに仕事を依頼する場合には、2024年11月1日に施行された「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法)」にも注意が必要です。

フリーランス法第3条では、事業者が法律上の特定受託事業者に業務委託をした場合、原則として直ちに、取引条件を書面又は電磁的方法で明示することが義務付けられています。

明示する事項には、業務の内容や報酬の額、支払期日などが含まれます。

また、同法第4条では、一定の要件に該当する発注事業者について、報酬の支払期日を、原則として給付を受領した日などから60日以内のできる限り短い期間内に定めることとされています。

ただし、フリーランス法の適用は、発注者や受託者の事業形態、委託する業務の内容などによって異なります。

また、取引条件の明示は、必ずしも業務委託契約書という形式で行わなければならないわけではありません。

必要な事項を記載した書面や電子メールなどによって行うことも認められています。

したがって、業務委託契約書を作成しただけで、法律上のすべての義務を満たしたことになるとは限りません。

フリーランスに業務を依頼する場合には、契約書の作成とあわせて、適用される法律上の義務についても確認しておきましょう。

 

業務委託契約書を作成すれば雇用契約にはならない?

業務委託契約を結ぶ際には、契約書の名称と実際の働き方が一致しているかにも注意が必要です。

例えば、業務委託契約書を作成していても、実際には発注者の指揮命令を受けて働いている場合などが考えられます。

労働基準法第9条では、労働者について、事業又は事務所に使用され、賃金を支払われる者と定めています。

労働者に該当するかどうかは、契約書の名称だけで決まるものではなく、実際の就労状況などを踏まえて判断されます。

そのため、契約書に「業務委託契約」と記載しておけば、必ず雇用契約と区別されるわけではありません。

業務委託という形で仕事を依頼する場合には、契約書の内容だけでなく、実際の業務の進め方も重要になります。

 

業務委託契約書の作成を行政書士に依頼する前に

行政書士に業務委託契約書の作成を依頼する場合には、どのような仕事を誰に依頼する予定なのかを確認しておくと、相談が進めやすくなります。

例えば、これから新しい事業者と取引を始めるのか、すでに取引している事業者との間で新たに契約書を作成するのかによっても、確認する内容が異なります。

また、仕事の完成を求めるのか、それとも継続的な業務の遂行を求めるのかという点も、契約書を作成するうえで重要です。

まだすべての条件が決まっていなくても、作成に必要な事項を整理するところから相談することはできます。

ただし、契約条件について最終的に合意するのは、契約を締結する当事者自身です。

また、すでに報酬の未払いや契約解除などをめぐって争いが生じている場合には、弁護士法第72条との関係から、行政書士では対応できないことがあります。

そのような場合には、弁護士への相談をご検討ください。

 

まとめ|業務委託契約書の作成は行政書士にご相談ください

業務委託契約書は、行政書士に作成を依頼できる書類の一つです。

ただし、業務委託契約には請負や準委任などの性質を持つものがあり、実際の契約内容によって適用される法律の規定も異なります。

また、フリーランスとの取引や、雇用契約との区別など、業務委託ならではの注意点もあります。

そのため、契約書を作成する際には、どのような仕事を依頼するのか、どのような取引を予定しているのかを整理することが大切です。

おばた行政書士事務所では、業務委託契約書の作成についてご相談を承っております。

「新しく業務委託契約を結ぶので契約書を作成したい」「個人事業主との継続的な取引に使用する契約書を用意したい」「取引内容に合った業務委託契約書を作成してほしい」とお考えの方は、お気軽にお問い合わせください。

行政書士が対応できる範囲を確認したうえで、ご依頼内容に応じた契約書の作成をお手伝いいたします。ら

 

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