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【衛生管理の基礎】HACCPにおける5S活動の重要性について【静岡県の行政書士が解説】

食品の衛生管理は3段階あります。その土台となるのが5Sまたは7Sと言われるものです。

また、この5Sまたは7SはHACCPの土台でもあると言えます。

今回は、この土台である5Sまたは7Sについて解説します。

 

1.5Sとは

HACCPの導入、第一歩としてこの5Sはとても重要です。5Sとは日常の衛生管理のことをいいます。

5S…整理・整頓・清掃・しつけ・清潔

すべて5つのローマ字表記にした時に頭文字がSです。この5つにプラス2つすると洗浄と殺菌です。

これで7Sです。

ちなみに、この5Sは工業5Sとは別物なので混同しないように注意して下さい。

ここでいう5Sはあくまでも食品衛生5Sであり、清潔を目的としたものです。

HACCPにとって5Sが重要なのは、5Sでの改善や習慣化ができると、HACCPの本体となる一般衛生管理項目をクリアしやすくなります。

 

2.5Sを実施するメリット

5Sのメリットはたくさんあります。

従業員の食品安全への意識が上がり、コミュニケーションもよくなりますから従業員の定着率が上がります。そして、汚染防止などの取り組みが進んで食中毒を未然に防ぐことができます。この好循環が生まれれば、お客様の信用度が高まり、お店のイメージアップにつながります。

また、在庫管理ができ、ロスも減り、利益向上につながるというわけです。

調理現場の環境整備である5Sが実施されると、仕事はやりやすくなり、清潔になることでお客様に提供する料理の二次汚染や異物混入も予防でき、安全も確保されます。

ここでのメリットの説明はほんの一例に過ぎません。是非、実践してみて体感してみると良いでしょう。

逆に、この5S活動がうまくいかなかった場合、不衛生な環境が日常化してしまい食中毒や異物混入のクレームが繰り返されたり、「汚いお店」というレッテルを貼られてしまったりすることでしょう。

このような事態ならないためにも5Sは実施するべきなのです。

 

3.何から始めれば良いのか?

まずは、経営者(オーナー)が「HACCP導入に向けて5Sの実施をします」と、HACCPの導入を宣言することです。この宣言をすることにより経営者のやる気や熱意、本気を従業員へ示すことができます。従業員に経営者のやる気や熱意、本気が伝われば全員で5Sへの意識が高まり取り組むことができます。

ちなみに、私が新卒で入社した会社では朝礼時にこの5Sを従業員全員で読み上げ、衛生管理に対する意識を高めていました。

 

4.目標は「7S」までやってほしい

厚生労働省は衛生管理(HACCP)の具体的な手法として、5S活動の実施を進めています。

しかし、HACCPを導入するためには「7S」まで進んでいきたいと思います。

食品衛生7Sの特徴は、5Sに「洗浄」「殺菌」をプラスして、目的を「微生物レベルの清潔」にしたことにあります。

ここで、食品衛生7Sの各々の言葉の定義について説明します。

7Sの要素 定義

5S

7S

整理 「要るものと要らないものを区別し、要らないものを処分する」こと
整頓 「要るものの置く場所と置き方、置く量を決めて識別する」こと
清掃 「ゴミやホコリのないように、ピカピカにきれいに掃除する」こと
躾(しつけ) 「決められたことを、決められた通り実行する」こと

他の6Sにおけるマニュアルや手順書、約束事、ルールを守ること

清潔 躾以外の5Sが躾で維持され、日頃見えないところまで「きれいな状態」であること
洗浄 「水・湯、洗剤などを使用して、汚れを洗い清める」こと
殺菌 「微生物を増殖させないように死滅させる」こと

 

 

詳しくはこちらをご参照下さい

HACCP(ハサップ)|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

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