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10.82026
遺言書は自分で作れる?専門家に相談した方がよいケースとは【静岡県の行政書士が解説】

「遺言書を作りたいけれど、自分で作成しても大丈夫なの?」
遺言書の作成を考えたとき、このような疑問を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。
遺言書は、必ずしも専門家に依頼しなければ作成できないものではありません。法律で定められた要件を満たせば、ご自身で作成することも可能です。
ただ、いざ作成しようとすると、財産を誰に残すかは決まっていても、どのような文章にすればよいのかわからなかったり、必要な書類の準備で迷ったりすることもあるでしょう。
今回は、遺言書をご自身で作成する場合と、行政書士への相談を検討した方がよい場合について解説します。
遺言書は専門家に依頼しなくても作成できる?
結論からいうと、遺言書はご自身で作成することができます。
民法第967条では、普通の方式による遺言として、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類が定められています。
このうち、自筆証書遺言は、民法第968条に定められた方式に従って、ご本人が作成する遺言書です。
専門家による確認が法律上の必須条件になっているわけではありません。
また、公正証書遺言についても、公証人に直接相談して作成することができます。
そのため、遺言書を作成するからといって、必ず行政書士などの専門家に依頼する必要はありません。
ただし、遺言書は作成方法によって必要な手続きが異なります。
自筆証書遺言の具体的な書き方については、別の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
【関連記事:自筆証書遺言の書き方|最低限押さえておきたいルールとは?】
行政書士への相談を検討した方がよいケースとは?
遺言書をご自身で作成できるとしても、準備から完成まで、すべてを一人で進める必要はありません。
行政書士は、行政書士法第1条の3および第1条の4に基づき、他の法律で制限されていない範囲で、権利義務に関する書類の作成や、その作成についての相談などを業務として行うことができます。
遺言書の作成についても、行政書士によるサポートを受けることが可能です。
それでは、どのような場面で相談を検討するとよいのでしょうか。
1.財産を残したい相手は決まっているけれど、文章にまとめられない場合
「自宅は長男に残したい」「預貯金は娘に残したい」
このように、財産を残したい相手は決まっていても、実際に遺言書の文章を考えるとなると、手が止まってしまうことがあります。
普段の会話であれば、ご自身の考えを自由に伝えることができますが、遺言書では、その意思を文章として明確にしておく必要があります。
例えば、「自宅を長男に任せたい」という希望があったとしても、所有権を取得させたいのか、それとも管理をお願いしたいのかによって、意味が異なります。
ご本人にとっては当たり前のことでも、文章だけでは希望が十分に伝わらないことも考えられます。
行政書士は、ご本人から希望を伺い、それを遺言書の文案にまとめるサポートを行うことができます。
最初から法律用語を使って説明する必要はありません。どなたに、どの財産を残したいのかという希望を、ご自身の言葉で伝えていただくところから始められます。
2.遺言書に記載する財産を整理したい場合
遺言書を作成する際には、ご自身が所有している財産を確認することも大切です。
預貯金だけであれば比較的整理しやすいかもしれませんが、不動産や株式など、さまざまな財産を所有している場合もあるでしょう。
例えば、自宅の土地と建物を所有している場合、住所だけでなく、登記上の所在や地番、家屋番号などを確認することがあります。
預貯金についても、金融機関名や支店名など、財産を特定するための情報を整理しておく必要があります。
民法第968条第2項では、自筆証書遺言に添付する財産目録について、一定の要件を満たせば、自書によらない方法で作成することが認められています。
ただし、財産目録を作成する場合でも、記載する財産の内容を正確に把握しておくことが重要です。
行政書士は、遺言書の作成に必要な範囲で、財産に関する資料の整理や財産目録の作成をサポートすることができます。
財産が複数ある場合や、どの資料を準備すればよいのかわからない場合には、作成前に相談するという方法もあります。
3.相続関係を確認してから遺言書を作成したい場合
遺言書を作成するにあたり、法律上の相続人が誰になるのかを確認しておきたいという方もいらっしゃるでしょう。
相続人の範囲については、民法第887条、第889条、第890条などに規定されています。
例えば、配偶者や子どもがいる場合と、子どもがおらず、父母や兄弟姉妹がいる場合とでは、相続人となる方が異なります。
誰が相続人になるのかを確認するためには、戸籍謄本などの資料が必要になる場合もあります。
行政書士は、遺言書の作成に関連する業務として、必要な範囲で戸籍などの資料を収集し、相続関係を整理するサポートを行うことができます。
ご自身で相続関係を把握している場合でも、遺言書の作成を機に、資料を確認しておくことは大切です。
なお、相続人の地位や相続権について争いがある場合には、行政書士による書類作成支援とは異なる対応が必要になるため、弁護士への相談が適しています。
4.自分で作成した遺言書の文案を確認してほしい場合
すでに遺言書の文章を考えている方の中には、「自分で書いてみたけれど、これでよいのか心配」という方もいらっしゃるかもしれません。
そのような場合には、作成した文案について行政書士に確認を依頼することもできます。
例えば、誰にどの財産を残すのかが明確に記載されているか、財産の表示に不明確な部分がないかなど、遺言書の作成に関する事項について確認する方法です。
もちろん、文案を確認したからといって、将来のあらゆる問題を防げることが保証されるわけではありません。
また、自筆証書遺言の場合には、民法第968条の方式に従い、財産目録について認められている例外を除いて、ご本人が全文を自書する必要があります。
行政書士が文案を作成した場合でも、そのまま印刷したものに署名押印すれば自筆証書遺言として有効になるわけではありません。
遺言書の具体的な記載方法や注意点については、次の記事で詳しく解説しています。
【関連記事:自筆証書遺言の書き方|最低限押さえておきたいルールとは?】
5.公正証書遺言の作成準備を手伝ってほしい場合
公正証書遺言を作成したいものの、公証役場での手続きや必要書類の準備に不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。
公正証書遺言は、民法第969条に定められた方式に従って、公証人が作成する遺言書です。
作成する際には、遺言の内容を整理したり、公証人に提出する資料を準備したりする必要があります。
行政書士は、遺言書の文案作成や必要書類の準備、公証役場との連絡調整など、作成に向けたサポートを行うことができます。
ただし、公正証書遺言そのものを作成するのは公証人です。行政書士が公証人に代わって公正証書を作成するわけではありません。
また、自筆証書遺言と公正証書遺言では、作成方法や必要な手続きなどに違いがあります。
どちらの方法で作成するか迷っている方は、それぞれの特徴を確認したうえで検討するとよいでしょう。
【関連記事:自筆証書遺言と公正証書遺言の違いは?それぞれの特徴を解説】
行政書士にはどの段階から相談できる?
行政書士に遺言書の作成を依頼する場合、最初からすべての内容を決めておかなければならないのでしょうか。
そのようなことはありません。
例えば、財産を残したい相手は決まっているものの、必要な資料がわからない場合には、資料の準備から相談することができます。
一方で、ご自身で財産を整理し、遺言書の文案まで考えている方であれば、その文案の確認を依頼する方法もあります。
また、すでに遺言書を作成している場合でも、財産の内容やご自身の希望が変わり、新たな遺言書の作成を検討することもあるでしょう。
民法第1022条では、遺言者はいつでも、遺言の方式に従って遺言の全部または一部を撤回できると定められています。
そのため、以前作成した遺言書がある場合でも、現在の希望に合わせて、新たな遺言書の文案作成について相談することが可能です。
ただし、後の遺言と前の遺言との関係については、民法第1023条の規定にも注意が必要です。
ご自身で進められる部分は自分で行い、必要な部分について行政書士のサポートを受けるという方法もあります。
遺言書の作成について行政書士に相談する際の注意点
行政書士は、遺言書の作成に関するさまざまなサポートを行うことができますが、相続に関するすべての相談や手続きに対応できるわけではありません。
例えば、相続人同士で紛争が生じている場合の法律相談や代理交渉、裁判手続きなどは、行政書士の業務範囲ではありません。
また、不動産の相続登記については、司法書士などの専門家が対応する業務です。
行政書士に遺言書の作成を依頼する場合には、現在の状況や希望するサポートの内容を伝え、対応可能かどうかを確認するとよいでしょう。
遺言書の作成に関することと、相続に関する紛争の解決とでは、相談先が異なる場合があります。
すでに法律上の争いが生じている場合には、弁護士への相談を検討してください。
遺言書の作成でお困りの方へ
遺言書は、ご自身で作成することができます。
必ずしも専門家に依頼する必要はありませんが、文章の作成や資料の準備などで迷った場合には、行政書士のサポートを受けるという方法もあります。
おばた行政書士事務所では、自筆証書遺言や公正証書遺言の作成サポートを行っています。
「自分で遺言書を作りたいけれど、文章を考えるのが難しい」「すでに文案を作成しているので、内容を確認してほしい」
そのようなご相談にも対応しています。
ご本人の希望を伺いながら、遺言書の文案作成や必要書類の準備など、行政書士の業務範囲内でお手伝いいたします。
遺言書の作成に関するご相談は、おばた行政書士事務所までお問い合わせください。
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