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ちょっと役立つコラム
9.242026
障害福祉サービス事業所で職員が退職したら何を確認する?人員基準と届出の注意点【静岡県の行政書士が解説】

障害福祉サービス事業所を運営していると、職員の退職は避けて通れません。
「職員が1人辞めることになったけれど、何か届出は必要?」
「新しい職員を採用するまで少し期間が空いても大丈夫?」
「常勤換算で考えると、人員基準を満たしているのか分からない」
職員の退職が決まったとき、このような点を確認する必要があります。
職員が退職した場合に注意したいのは、単に「退職者が出た」という事実だけではありません。
大切なのは、誰が退職するのか、その結果として事業所の人員配置がどう変わるのかを確認することです。
退職する職員の職種や勤務時間によっては、人員基準を満たさなくなったり、算定している加算に影響したり、変更届などの手続きが必要になったりすることがあります。
今回は、障害福祉サービス事業所で職員が退職する場合に確認しておきたいポイントについて解説します。
まず確認したいのは「誰が退職するのか」
職員の退職が決まったら、最初に確認したいのがその職員の役割です。
障害福祉サービス事業所には、管理者、サービス管理責任者、生活支援員、職業指導員、看護職員、就労支援員、世話人など、さまざまな職種があります。
以下の図のように、どの職種の職員が退職するのかによって、確認すべき内容は変わります。
同じ「職員1人の退職」であっても、サービス管理責任者が退職する場合と、人員基準に余裕がある状態で生活支援員が1人退職する場合とでは、確認する内容は異なります。
厚生労働省が定める指定基準では、サービスの種類ごとに必要となる従業者や人数が定められています。
たとえば就労移行支援では、職業指導員と生活支援員について一定の常勤換算数が必要とされるほか、職業指導員・生活支援員それぞれ1人以上、サービス管理責任者についても必要数を配置することが定められています。
つまり、「職員がまだ何人かいるから大丈夫」と人数だけで判断するのではなく、職種・勤務時間・常勤換算などを含めて基準を確認する必要があります。

退職後も人員基準を満たしているか確認する
次に確認したいのが、退職後の勤務体制です。
障害福祉サービスの人員基準は、単純な在籍人数だけで決まるとは限りません。
サービスによっては「1人以上」と人数で定められているものもあれば、「常勤換算方法で利用者数を○で除した数以上」といった形で定められているものもあります。
そのため、職員が退職するときには、現在の勤務形態一覧表などを基に、退職後の配置を一度組み直してみることが大切です。
たとえば常勤職員が退職し、その代わりに非常勤職員を採用する場合、人数としては同じ「1人」であっても、勤務時間によって常勤換算数が変わります。
また、もともと基準ぎりぎりで職員を配置している事業所では、1人の退職がそのまま人員基準の不足につながることもあります。
「後任を採用する予定だから大丈夫」と考えるのではなく、退職日から後任者が勤務を開始するまでの期間を含めて基準を満たしているかを確認しておきましょう。
人員基準を下回ると報酬にも影響する場合がある
人員基準を満たさなくなった場合、単に「早く採用すればよい」という問題だけでは済まないことがあります。
厚生労働省の障害福祉サービス費の算定に関する留意事項では、生活介護、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、共同生活援助などについて、配置すべき従業者の員数を下回る場合の人員欠如減算が定められています。
人員欠如に該当する場合には、一定の条件のもとで所定単位数が減額されます。厚生労働省も、人員欠如については適正なサービス提供を確保するための規定であり、事業所は人員欠如の未然防止に努めるものとしています。
ただし、人員欠如減算の対象や適用時期などは、サービスの種類や不足している職種などによって異なります。
そのため、「1人辞めた=すぐに減算」と単純に考えるのではなく、まず指定基準上必要な人数を確認し、そのうえで実際の配置状況と照らし合わせる必要があります。
サービス管理責任者や管理者が退職する場合は特に注意
職員の中でも、サービス管理責任者や管理者が退職する場合には注意が必要です。
管理者やサービス管理責任者など、届出事項となっている内容に変更が生じた場合には、変更届が必要になることがあります。
障害者総合支援法では、指定障害福祉サービス事業者について、指定に係る事業所の名称や所在地など、主務省令で定める事項に変更があった場合には、原則として変更の日から10日以内に届け出ることが定められています。
静岡県でも、障害福祉サービス事業者向けに変更届、参考様式、勤務形態一覧表、変更届に添付する書類などが公開されています。
そのため、サービス管理責任者等の変更が生じる場合には、
|
などを事前に確認しておくことが重要です。
退職日が近づいてから慌てて後任者を探すと、必要な研修や実務経験の確認に時間がかかることもあります。
退職予定が分かった段階で、早めに確認を始めた方が安心です。
一般の職員が退職したら必ず変更届が必要?
ここは勘違いされやすいところです。
職員が1人退職したからといって、すべてのケースでその職員個人について変更届を提出するというわけではありません。
変更届が必要となるのは、障害者総合支援法や施行規則などで届出事項とされている内容に変更が生じた場合です。
一方で、個々の職員について変更届の対象にならないケースであっても、退職によって運営規程に記載している従業者の員数が変わったり、人員配置や加算の算定要件に影響したりする可能性があります。
そのため、
「この職員は変更届の対象ではないから何もしなくてよい」
と考えるのは少し危険です。
退職者本人についての届出の有無だけではなく、退職によって事業所全体の届出内容に変更が生じないかを見ることがポイントになります。
算定している加算への影響も確認する
人員基準を満たしていても、それだけで確認が終わるとは限りません。
障害福祉サービスでは、職員配置や資格、勤務時間などを要件として算定する加算があります。
退職する職員が加算の算定要件に関係している場合には、退職後も引き続き要件を満たしているか確認が必要です。
静岡県では、変更届とは別に、障害福祉サービスの加算に関する体制届の様式が公開されています。
加算の算定状況などに変更が生じる場合には、体制届が必要となることがあります。
職員の退職があったときには、
人員基準 → 変更届 → 加算
というように、それぞれを分けて確認すると整理しやすくなります。
「前も大丈夫だったから」で判断しない
同じ職種の退職であっても、サービスの種類、利用者数、勤務時間、他の職員の配置状況、算定している加算などによって結果は変わります。
また、障害福祉サービスの指定基準や報酬制度は改正されることもあります。
過去の対応や別の事業所の例だけで判断するのではなく、その時点の事業所の状況を基に確認することが大切です。
職員の退職が決まったら早めの確認を
職員が退職するときには、求人や引継ぎなど、事業所側で対応しなければならないことが増えます。
その中で、行政への届出は後回しになってしまいがちです。
しかし、障害福祉サービスでは、人員配置が指定基準や報酬に直接関係しています。
退職する職員が決まったら…
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という順番で整理しておくとよいでしょう。
特に、サービス管理責任者など事業所運営の中心となる職員が退職する場合や、もともと人員配置に余裕がない事業所では、退職直前ではなく早めの確認をおすすめします。
障害福祉サービス事業所の届出・運営をサポートしています
障害福祉サービスの人員基準は、サービスごとに異なります。
さらに、実際の事業所運営では、
「この勤務体制で基準を満たしている?」
「この職員が退職すると変更届は必要?」
「加算に影響しない?」
「新しく採用する職員をどの職種として配置すればよい?」
など、個別に確認しなければ判断しにくい場面も少なくありません。
おばた行政書士事務所では、障害福祉サービス事業所の指定申請や変更届、体制届などの手続きのほか、事業所運営に関する継続的なご相談にも対応しています。
職員の退職や採用のたびに人員基準や届出を調べるのが大変という事業所様には、「退職予定の職員がいるけれど、何を確認すればよいか分からない」「今の職員配置で人員基準を満たしているのか確認してほしい」という場合も、お気軽にご相談ください。

※本記事は2026年9月時点の静岡県、厚生労働省の公表資料及び関係法令を基に作成しています。実際に必要となる手続きや人員配置は、サービスの種類、事業所の状況、指定権者等によって異なる場合があります。











