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世界からみた遺言書の歴史【静岡県の行政書士が解説】

現代遺言法、世界的に見るといつからできた制度なのでしょうか。

今回は、遺言書の世界からみた歴史について解説します。

 

前200年ごろには遺言は一般の慣行になっていたといわれています。

古代ローマの遺言は元来、相続人指定のためのもので、家の財産を家にとどめ、1人の相続人に受け継がせるための手段でした。

 

紀元前5世紀頃のものとされる、古代ローマで初めて定められた成文法「12表法」にはすでに遺言法が見えており、少なくとも紀元前200年頃には、遺言がローマ市民一般の慣行となっていたようです。

 

12表法とは…

十二表法の内容は旧来の慣習法を明文化したものです。それまで神官(貴族階級から選ばれる)が独占していた訴訟日程や手続きの決定に市民が関与し、市民の手による裁判が行われるようになりました。つまりこれによって、「神のお告げ」としての裁判ではなく、法によって裁く裁判が始まったと言えます。貴族と平民の身分闘争の中での、平民の権利を守る市民法が成立し、法の前においては貴族と平民は対等となったということが言えるでしょう。

 

遺言法と思われるのはおそらく第5表でしょう。

 

第5表:相続法

相続人のいない人が遺言なく死去した場合、父方の親族の中で最も血縁の近い者が相続すること。そのような該当者がいない場合、彼の氏族が相続すること。

ある人の気が狂ってしまった場合、その人の財産に対しては父方の親族の中で最も血縁の近い者が権利を有する。

 

と記載されています。当時の相続においてもまずは遺言があるかないかで決まっていたということが分かりますね。

 

遺言書の初めは、大神官の招集によって開かれる民会において神官の面前で口述したものを審議決定する、いわゆる民会遺言でした。ユニチアニス帝のころ、遺言者本人が証人の立会いなしに自筆作成する遺言書を保管の請願とともに帝に提出するか、または裁判所に登録して成立するものとなりました。

これが近代的な公正証書遺言、自筆証書遺言の方式の誕生ですね。

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