ちょっと役立つコラム

どうする?延命治療【静岡県の行政書士が解説】

自分がもし、危篤状態になったときあなたは医療技術を駆使して少しでも長く生きたいですか?それとも、苦しいのは嫌だから自然な状態で亡くなりたいですか?

その時、当然あなたの意識はありませんから、決断をするのはご家族です。

延命治療をするのかどうかの決断に迫られた時、たとえあなたに意識が無くても1日でも長く生きて欲しいという気持ちとこれ以上、たくさんのチューブに繋がれて苦しそうな姿を見るのは辛いという気持ちの狭間でとても悩みます。実際、私の父が亡くなる前がこのような状態でした。

あなたが終末期の延命治療の希望について、何も意思表示をしていなかった場合、家族は苦渋の決断をしなければなりません。そして、家族はその決断に後悔してしまう可能性だってあるでしょう。

また、あなたの意思に反した人工呼吸器と全身チューブだらけの苦しい状態で、残りの月日を過ごすことになるかもせれません。

そもそも延命治療の実態とはどのようになっているのでしょうか。

 

厚生労働省のガイドラインによると…

本人の意思確認ができない場合には、次のような手順により、医療・ケアチームの中で慎重な判断を行う必要があります。

①  家族等が本人の意思を推定できる場合には、その推定意思を尊重し、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。

②家族等が本人の意思を推定できない場合には、本人にとって何が最善であるかについて、本人に代わる者として家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。時間の経過、心身の状態の変化、医学的評価の変更等に応じて、このプロセスを繰り返し行う。

③  家族等がいない場合及び家族等が判断を医療・ケアチームに委ねる場合には、本人にとっての最善の方針をとることを基本とする。

④  このプロセスにおいて話し合った内容は、その都度、文書にまとめておくものとする。

 

詳しくはこちらをご参照下さい

人生の最終段階における医療・ケアの 決定プロセスに関するガイドライン(厚生労働省)

 

延命治療とは、衰弱や病気などで生命の維持が難しい方に対して、回復ではなく「延命」を目的に治療することです。呼吸のサポートをしたり、栄養や薬などを投与したりすることで生存時間を延ばします。

延命治療では大きく分けて3つの措置があります。

1.人工栄養

2.人工呼吸

3.人工透析

日本の医療の現場ではできるかぎり患者の延命に尽くすことが原則とされています。

そのため大体の患者さんは延命のために人工呼吸器を付けられ、点滴を施されたりして、チューブだらけで意識のない状態で生き続けることになるのです。

そして、一度このような延命治療が取られると、基本的には途中でやめることができず、本人は、自分の意思に関係なく生きなければなりません。

 

果たして、自分はこのような終末を望むのか?自分なりに考えをまとめ、明確に意思表示をしておくことは極めて重要です。

 

よく考えて考えがまとまったら必ず家族に伝えましょう。

そして、あなたが延命治療を希望しない場合には、その意思表示を書面に記しておくことが何より大切です。

書面があることによって「本人が延命治療を希望していない」という意思表示があるという証拠として家族が医療現場に提示することができるのです。

 

延命治療について考えることはあなたにとって、重たい選択になるかもしれませんが、家族が困らないためにもしっかり考えましょう。

 

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