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尊厳死宣言書とは【静岡県の行政書士が解説】

あなたは、「尊厳死宣言書」という言葉を聞いたことはありますか?

今回は尊厳死宣言書について解説します。

尊厳死宣言書(リビング・ウィル)とは、病気が不治かつ末期の際に延命措置を止めて、人間としての尊厳を保ちながら死にたい旨を伝える宣言書です。

尊厳死宣言書を作成する場合はあらかじめ家族の同意を得て作成し、作成された文書をあらかじめ渡しておくとスムーズです。

尊厳死宣言書は法律で書き方が決まっているわけではありません。

 

①尊厳死の希望の意思表明

延命治療を拒否したい旨と、苦痛を和らげる最小限の治療以外の措置を控えてもらい、安らかな最期を迎えるようにしてほしいという希望を明示します。

②尊厳死を望む理由

尊厳死を希望する理由を明示します。理由を記載することで、家族や医療関係者への説得力が増します。

③家族(キーパーソン)の同意

宣言書を作っても、家族が延命措置の停止に反対したら、医師はそれを無視できません。

宣言書を作成する前に家族(キーパーソン)と話し合い、同意を得た上で、その同意についても宣言書に記載することが大切になります。

④医療関係者に対する免責

家族(キーパーソン)や医療関係者ら法的責任を問われることのないように、警察や検察等関係者の配慮を求める事項が必要になります。また、医療関係者に安心を与える意味では、刑事責任だけでなく民事責任も免責されることも必要といえます。

⑤宣言内容の効力

この宣言書は、心身ともに健全なときに作成しとことと、自分が宣言を破棄・撤回しない限り効力を持ち続けることを明確にしておきます。

 

尊厳死宣言書は公正証書で作成する方法があります。

「尊厳死宣言公正証書」とは、嘱託人が自らの考えで尊厳死を望む、すなわち延命措置を差し控え、または中止する旨等の宣言をし、公証人がこれを聴取する事実実験をしてその結果を公正証書にするものです。

尊厳死宣言がある場合に、自己決定権に基づく患者の指示が尊重されるべきものであることは当然としても、医療現場ではそれに必ず従わなければならないとまではいまだ考えられていません。治療義務がない過剰な延命治療に当たるか否かは医学的判断によらざるを得ない面があるからです。尊厳死宣言公正証書を作成した場合にも、必ず尊厳死が実現するとは限りません。

しかしながら、尊厳死の普及を目的としている日本尊厳死協会の機関誌「リビング・ウィル」のアンケート結果によれば、同協会が登録・保管している「尊厳死の宣言書」を医師に示したことによる医師の尊厳死許容率は、近年は9割を超えており、このことからすると、医療現場でも、大勢としては、尊厳死を容認していることがうかがえます。いずれにしろ、尊厳死を迎える状況になる以前に、担当医師等に尊厳死宣言公正証書を示す必要がありますので、その意思を伝えるにふさわしい信頼できる肉親等に尊厳死宣言公正証書をあらかじめ託しておかれるのがよいでしょう。

 

詳しくはこちらをご参照下さい

Q3. 「尊厳死宣言公正証書」について、説明してください。 | 日本公証人連合会 (koshonin.gr.jp)

 

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