ちょっと役立つコラム
9.62026
【相続と郵便物】亡くなった方の郵便物はどうなる?【静岡県の行政書士が解説】

相続手続きというと、戸籍を集めたり、預貯金の解約や不動産の名義変更をしたりすることを思い浮かべる方が多いと思います。
こうした手続きを進めるためには、まず、亡くなった方がどのような財産を持っていたのか、どのような契約をしていたのかを把握する必要があります。
ところが、ご家族であっても、亡くなった方の財産をすべて把握しているとは限りません。
「どこの銀行に口座があるのか分からない」
「生命保険に加入していたはずだけれど、保険会社が分からない」
「株式や証券口座があることを知らなかった」
このようなケースもあります。
そこで、財産調査をするときに手掛かりの一つとなるのが、亡くなった方の自宅に届いていた「郵便物」です。
銀行や証券会社、生命保険会社、クレジットカード会社などから届く郵便物を確認することで、これまで家族が把握していなかった財産や契約の存在に気づくことがあります。
何気なく届いている一通の郵便物が、相続財産を調べるための重要な手掛かりになることもあるのです。
今回は、相続と郵便物について、相続手続きの際に知っておきたいポイントを行政書士の視点からお話しします。
亡くなった方の郵便物は、そのまま届くとは限りません
ご家族が亡くなった後、「亡くなった父宛てに郵便物が届いているけれど、これからもずっと届くのでしょうか?」と疑問に思われる方もいるかもしれません。
郵便物は、基本的に宛名となっている方に配達されるものです。(日本郵便の「内国郵便約款」第70条)
詳しくはコチラをご参照ください。
そのため、亡くなった方が亡くなった後も、相続人の住所へ自動的に郵便物が転送されるというものではありません。
また、日本郵便の「転居届」は、引っ越しなどによって住所が変わった場合に、旧住所宛ての郵便物等を新住所へ転送するための制度です。
「亡くなった父の郵便物を、息子である自分の住所に転送してほしい」というような、相続人が故人に代わって郵便物を受け取るための制度ではありません。
そのため、郵便局が宛名の方が亡くなったと知った時、亡くなった方宛ての郵便物については、差出人様に返還されてしまいます。
ここで注意したいのが、郵便物が届かなくなることと、相続手続きとの関係です。
亡くなった方の郵便物が相続財産の発見につながることも
相続手続きでは、亡くなった方の財産をできる限り正確に把握する必要があります。
ところが、
「父がどこの銀行を利用していたのか、全部は分からない」
「証券会社の口座があることを知らなかった」
「生命保険に加入していたはずだけれど、どこの会社か分からない」
ということも珍しくありません。
特に、長年一緒に暮らしていた家族であっても、本人の財産をすべて把握しているとは限りません。
そんなとき、亡くなった方の郵便物が手掛かりになることがあります。
例えば、
- 銀行からの郵便物
- 証券会社からの通知
- 生命保険会社からの案内
- クレジットカード会社からの請求書
- 不動産関係の通知
- 税金に関する書類
- ローンや借入に関する通知
- 携帯電話やインターネットなどの契約関係の書類
などです。
一見すると何気ない郵便物でも、そこから「この金融機関に口座があるのではないか」「この保険に加入していたのではないか」といった情報が分かることがあります。
つまり、亡くなった方の郵便物は、相続財産を探すための重要な手掛かりになる可能性があるのです。
相続では「プラスの財産」だけでなく「借金」にも注意
郵便物を確認するときに、もう一つ注意したいのが「マイナスの財産」です。
相続というと、
「預貯金はいくらある?」
「不動産はいくつある?」
といったプラスの財産に目が向きがちです。
しかし、相続の対象となるのはプラスの財産だけではありません。
借入金や未払い金などの債務が残されている場合には、それらについても確認する必要があります。
例えば、亡くなった方宛てに、
「ローン会社から通知が届いている」
「クレジットカードの請求書が届いている」
「知らない会社から支払いの請求が届いている」
といった場合です。
こうした郵便物を「もう本人はいないから」と処分してしまうのではなく、まずは内容を確認することが大切です。
相続では、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産についても調査したうえで、その後の手続きを考える必要があります。
相続が始まったら、郵便物をすぐに捨てない
相続が発生した直後は、葬儀や役所への届出、各種名義変更など、やらなければならないことがたくさんあります。
そのため、郵便物まで細かく確認する余裕がないという方も多いでしょう。
しかし、相続手続きが一段落するまでは、亡くなった方宛てに届いた郵便物をできるだけ保管しておくことをおすすめします。
特に、
「金融機関からの郵便」
「保険会社からの郵便」
「証券会社からの郵便」
「借入や支払いに関する郵便」
などは、後から必要になる可能性があります。
封筒を開けることに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、相続人として必要な範囲で内容を確認し、財産や契約関係を整理していくことが重要です。
分からない郵便物があった場合には、無理に判断せず、いったん保管しておきましょう。
亡くなった方の郵便物を、相続の手掛かりにするには?
では、相続人はどうやって亡くなった方の財産や契約を調べればよいのでしょうか。
まずは、亡くなった方が生前に保管していた郵便物や書類を確認してみましょう。
自宅に保管されている過去の通知書や請求書、金融機関からの案内、保険証券などには、現在の財産や契約を調べるための手掛かりが残されていることがあります。
また、通帳やキャッシュカード、契約書、確定申告書など、ほかの資料と併せて確認することで、取引していた金融機関や加入していた保険などが分かる場合もあります。
大切なのは、亡くなった方が生前に残していた資料を確認し、そこから財産や契約関係を一つずつ調べていくことです。
「すでに何が残されているか」を確認することが重要になります。
郵便物を確認するときは「財産」だけではなく「債務」にも注目
相続というと、「どれだけ財産があるのか」に目が向きがちです。
しかし、相続ではプラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの財産についても確認する必要があります。
例えば、
「知らない会社から請求書が届いている」
「ローン会社から通知が来ている」
「クレジットカードの請求が届いている」
といった場合には、単純に処分してしまうのではなく、内容を確認することが大切です。
特に、相続では財産調査が十分にできていない状態で手続きを進めると、後から思わぬ債務が判明することもあります。
郵便物を整理することは、財産調査だけではなく、相続人が知らなかった債務を把握するという意味でも重要なのです。
「亡くなった後の郵便物」は、早めに整理しましょう
相続が発生した直後は、葬儀や役所への手続きなどで非常に忙しくなります。
そのため、郵便物まで気が回らないという方も少なくありません。
ですが、落ち着いた段階で構いませんので、
「どんな郵便物が届いているのか」
「どの金融機関から届いているのか」
「保険会社から通知が来ていないか」
「借入や未払いに関する通知がないか」
などを確認してみてください。
そして、必要なものはすぐに捨てず、しばらく保管しておくことをおすすめします。
相続手続きが進んでいく中で、「この郵便物が手掛かりになった」ということもあります。
相続は「財産を受け取る手続き」だけではありません
相続というと、「誰が何をもらうのか」ということに目が向きます。
もちろん、それも大切です。
しかし、実際の相続手続きでは、その前に「亡くなった方が何を持っていたのか」「どんな契約をしていたのか」「借入などはなかったのか」を調べる必要があります。
そのためには、通帳、不動産、保険、証券など、さまざまな資料を確認しなければなりません。
そして、その中の一つが「郵便物」です。
普段は何気なくポストに入っている一通の封筒が、相続財産を発見する大きな手掛かりになることもあります。
だからこそ、相続が発生したら、郵便物も「相続手続きに関係する資料」として考えてみてください。
相続手続きは「何を調べればいいのか」が分からないこともあります
相続手続きで大変なのは、書類を集めることだけではありません。
「そもそも何を調べればいいのか分からない」
というケースも少なくありません。
特に、ご本人が生前に財産や契約について家族に詳しく伝えていなかった場合、相続人が一から調査しなければならないこともあります。
そんなときには、通帳や権利証などの目に見える資料だけではなく、郵便物やメール、スマートフォンに残っている情報なども含めて、亡くなった方の生活を振り返ってみることが大切です。
「どこからお金が入っていたのか」
「どこにお金を払っていたのか」
「どんな会社と契約していたのか」
こうした情報を一つずつ確認していくことで、少しずつ相続財産や契約関係が見えてくることがあります。
相続は、亡くなった方が残したものを一つずつ確認していく作業でもあります。
そして、その「手掛かり」は、意外と身近なところにあるのかもしれません。
「何から調べればいいのか分からない」という方へ
相続手続きでご相談を受けていると、「何から始めればいいのか分かりません」という声をお聞きします。
相続では、戸籍を集めるだけでなく、相続人の確認、財産調査、遺産分割協議、預貯金の解約や名義変更、不動産の手続きなど、さまざまな作業があります。
さらに、亡くなった方の財産や契約内容が分からなければ、その調査から始めなければなりません。
そんなときは、通帳や権利証などの「分かりやすい資料」だけに目を向けるのではなく、郵便物や契約書、請求書など、日常生活の中に残された情報にも目を向けてみてください。
思いがけないところから、相続財産や契約を発見できることがあります。
まとめ|亡くなった方の郵便物も相続財産調査の手掛かりに
亡くなった方の郵便物は、相続人の住所へ自動的に転送されるものではありません。
一方で、郵便物には、銀行、証券会社、生命保険会社、クレジットカード会社、ローン会社など、さまざまな情報が含まれていることがあります。
そのため、相続が発生した際には、亡くなった方の郵便物についても確認しておくことが大切です。
特に、
「知らない金融機関から郵便が来ている」
「保険会社から通知が届いている」
「借入に関する書類が届いている」
といった場合には、相続財産や債務を調査するための重要な手掛かりになる可能性があります。
相続は、単に財産を分けるだけの手続きではありません。
亡くなった方が残した財産や契約、そして必要な情報を一つずつ確認し、整理していくことも大切な相続手続きです。
「相続手続きを何から始めればいいのか分からない」
「亡くなった家族の財産をどうやって調べればいいのか分からない」
このような場合には、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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