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10.272026
契約書と合意書の違いは?使い分けをわかりやすく解説【静岡県の行政書士が解説】

「契約書と合意書は何が違うの?」
「取引先と決めた内容を書面にしたいけれど、契約書と合意書のどちらを作ればいい?」
仕事や取引を進める中で、このような疑問を持つこともあるのではないでしょうか。
契約書も合意書も、当事者間で取り決めた内容を書面にしたものです。しかし、実際に作成するとなると、どちらの名称を使えばよいのか迷うこともあると思います。
結論からいうと、契約書と合意書は、書面の名称だけで法律上の効力が決まるものではありません。
重要なのは、当事者が何について合意し、その内容が書面にどのように記載されているかという点です。
この記事では、契約書と合意書の違いや使い分け、合意書を作成する際の注意点について、民法の規定をもとにわかりやすく解説します。
契約書と合意書の違いとは?
契約書と合意書の違いを理解するためには、まず法律上の「契約」と「合意」の関係を確認する必要があります。
契約書とは?
契約書とは、当事者間で成立した契約の内容を書面にしたものです。
民法第522条第1項では、契約の成立について、契約内容を示した申込みに対して相手方が承諾したときに成立すると定めています。
例えば、事業者が別の事業者に仕事を依頼する場合、業務内容や報酬、納期などについて取り決め、その内容を業務委託契約書として作成することがあります。
契約書には、当事者が負う義務や取得する権利などを記載し、取引条件を明確にする役割があります。
合意書とは?
合意書とは、当事者間で合意した事項を明らかにするために作成する書面です。
例えば、すでに契約を締結している当事者が、契約条件の一部を変更する場合や、契約を終了することについて合意した場合などに作成することがあります。
また、金銭の支払方法について取り決める場合などにも、合意書という名称が使われることがあります。
ただし、民法には「合意書」という名称の書面について、一般的な定義や効力を定めた規定があるわけではありません。
そのため、合意書という名称が付いていても、記載内容によっては法律上の契約に該当することがあります。
契約書と合意書は法的効力が違う?
契約書と合意書を比較するとき、特に気になるのが法的効力ではないでしょうか。
「契約書の方が法的効力が強い」
「合意書には法的効力がない」
このように考えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、契約書と合意書は、名称だけを理由に法的効力の優劣が決まるわけではありません。
民法第521条第2項では、契約の当事者は、法令の制限内において契約内容を自由に決定できると定めています。
また、民法第522条第2項では、法令に特別の定めがある場合を除き、契約の成立に書面の作成その他の方式を必要としないとされています。
したがって、合意書という名称であっても、当事者間で契約としての合意が成立していれば、その内容に応じた法的効力が生じることがあります。
反対に、契約書という名称であっても、当事者間で合意が成立していないなど、契約の成立要件を満たしていなければ、名称だけで契約が成立するわけではありません。
つまり、大切なのは書面のタイトルではなく、当事者の合意内容と法律上の要件を満たしているかどうかです。
契約書と合意書はどう使い分ける?
それでは、契約書と合意書は、どのような場面で使い分ければよいのでしょうか。
法律上、一般的な取引について両者の名称を厳密に使い分けなければならないという決まりはありません。
そのため、書面を作成する目的や取り決める内容に応じて判断することになります。
新しく取引を始める場合
新たに取引を開始し、取引条件を定める場合には、契約書という名称が考えられます。
例えば、事業者間で継続的に業務を委託する場合です。
業務内容、報酬、契約期間、支払条件など、これから行う取引の条件を定めるため、業務委託契約書などの名称を使用することがあります。
もっとも、同じ内容を合意書として作成した場合でも、契約としての成立要件を満たしていれば、名称だけを理由に効力が否定されるものではありません。
契約を終了することについて合意する場合
すでに締結している契約を、当事者双方の合意によって終了させる場合には、合意書を作成することがあります。
例えば、契約期間が残っているものの、双方が話し合った結果、予定より早く契約を終了することになった場合です。
このような場合には、契約終了日だけでなく、未払い報酬の取扱いや、終了後に残る義務についても確認する必要があります。
また、契約終了時点で業務が完了していない場合には、その業務をどのように取り扱うのかについても明確にしておくことが考えられます。
契約終了に関する書面は、合意解約書などの名称で作成することもあります。
金銭の支払方法について合意する場合
金銭の支払いについて当事者間で取り決めをする場合にも、合意書を作成することがあります。
例えば、支払うべき金額について双方が確認し、その金額を分割して支払うことに合意した場合です。
このような場合には、支払総額、各回の支払金額、支払期限、支払方法などを明確にすることが重要です。
また、支払いが遅れた場合の取扱いについて、当事者間で取り決めることも考えられます。
ただし、金銭の支払いに関する合意であっても、すでに当事者間で紛争が発生している場合には、法律上の交渉などが必要になることもあるため、注意が必要です。
既存の契約条件を変更する場合
当初の契約内容を一部変更する場合にも、合意書という名称が考えられます。
例えば、契約期間の延長や業務内容の変更について、当事者双方が合意した場合です。
この場合には、どの契約の、どの部分を変更するのかを明確にすることが重要です。
また、変更しない部分については、引き続き従前の契約内容を適用する旨を定めることも考えられます。
合意書を作成するときに注意したいこと
合意書は、当事者間で取り決めた内容を明らかにするための書面ですが、作成する際にはいくつか注意したい点があります。
1.誰と誰の合意なのか明確にする
まず、合意する当事者を明確にする必要があります。
例えば、法人同士の取引であれば、どの法人が当事者となるのかを正確に記載することが重要です。
また、個人事業主との取引では、屋号だけでなく、契約当事者となる個人を特定できるようにすることも考えられます。
合意書の内容が明確であっても、誰がその合意の当事者なのかわからなければ、後から問題になる可能性があります。
2.何について合意したのか具体的に記載する
合意内容は、できるだけ具体的に記載することが大切です。
例えば、金銭の支払いについて合意した場合、単に「代金を分割して支払う」と記載するだけでは、支払回数や金額がわかりません。
このような場合には、支払総額や各回の支払金額、支払期限などを明確にしておくことが考えられます。
また、契約を終了する場合には、対象となる契約や終了日を特定する必要があります。
合意した内容について、当事者間で異なる解釈が生じないようにすることが重要です。
3.合意の効力が生じる時期を確認する
合意書を作成する際には、いつからその内容を適用するのかについても注意が必要です。
例えば、契約条件を変更する場合、合意書を作成した日から変更するのか、それとも将来の特定の日から変更するのかによって、適用される条件が異なることがあります。
そのため、必要に応じて、合意内容の適用開始日などを明確にすることが考えられます。
なお、合意書に日付を記載しただけで、必ずその日からすべての効力が生じるとは限りません。
書面全体の内容や当事者の合意によって判断されるため、作成日と適用開始日を区別する必要がある場合には、その関係を明らかにしておくことが大切です。
4.法律上の方式が必要な場合に注意する
契約は、原則として書面がなくても成立しますが、すべての契約について自由な方式が認められているわけではありません。
例えば、民法第446条第2項では、保証契約は書面でしなければ効力を生じないと定めています。
また、同条第3項では、保証契約の内容を記録した電磁的記録による場合についても規定しています。
そのため、合意書という名称であっても、その内容が保証契約に該当する場合には、法律上の方式に関する規定に注意する必要があります。
書面の名称だけで判断するのではなく、取り決める内容に応じて適用される法律を確認することが重要です。
合意書という名称にすれば簡単に作成できる?
合意書という名称から、契約書よりも簡単に作成できるという印象を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、合意書という名称にしたからといって、記載内容を簡略化してよいというわけではありません。
例えば、契約を終了することについて双方が合意した場合でも、未払い報酬や契約終了後の義務について取り決めが必要になることがあります。
また、金銭の支払いに関する合意では、支払条件だけでなく、当事者が何を支払義務の根拠としているのかを明確にする必要がある場合もあります。
このように、合意書に記載すべき内容は、合意の目的によって異なります。
書面の名称が合意書であっても、その内容によっては契約書と同様に慎重な検討が必要です。
合意書だから簡単な内容でよいと考えるのではなく、何について合意し、どのような権利義務が生じるのかを確認することが大切です。
契約書と合意書のどちらを作ればよいかわからない場合は?
ここまで解説したとおり、契約書と合意書は、名称だけで法的効力が決まるものではありません。
そのため、どちらの名称を使えばよいかわからない場合には、まず書面を作成する目的を整理することが大切です。
例えば、新たな取引条件を定めたいのか、既存の契約を変更したいのか、契約を終了するための条件を決めたいのかによって、必要となる記載事項は異なります。
また、取引先から「合意書を作ってほしい」と依頼された場合でも、実際には契約としての内容を十分に定める必要があるケースも考えられます。
反対に、新たな契約書を作成しようと考えていても、既存の契約の一部について取り決めをするのであれば、その事項を明らかにする書面を作成する方法もあります。
最初から書面の名称を決めるのではなく、どのような内容を、何のために書面にするのかを明確にすることが重要です。
契約書や合意書の作成は行政書士に相談できる?
契約書や合意書の作成については、行政書士に相談することもできます。
行政書士法第1条の3では、行政書士は他人の依頼を受け、報酬を得て、官公署に提出する書類のほか、権利義務または事実証明に関する書類などを作成することを業務としています。
契約書や合意書も、権利義務に関する書類として行政書士が作成できる場合があります。
ただし、他の法律によって業務が制限される場合は除かれます。
なお、すでに当事者間で紛争が生じている案件や、相手方との法律上の交渉などについては、行政書士の業務範囲を超える場合があるため、弁護士への相談が必要となることがあります。
当事者間で合意した内容を書面にしたい場合や、これから取り決める条件を整理したい場合には、行政書士への相談を検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ|契約書と合意書は目的に応じて使い分けることが大切
契約書と合意書には、書面の名称だけで決まる法律上の明確な優劣はありません。
一般的には、新たな取引の条件を定める場合に契約書、契約の終了や金銭の支払方法など、特定の事項について合意した内容を残す場合に合意書という名称が考えられます。
しかし、法律上重要なのは、書面の名称ではなく、その内容や当事者間の合意です。
また、合意書であっても、その内容によっては契約書と同様に、権利義務や法律上の要件について慎重に検討する必要があります。
契約書と合意書のどちらを作成する場合でも、書面を作成する目的を明確にし、合意内容を正確に記載することが大切です。
おばた行政書士事務所では、契約書や合意書などの書類作成について、ご相談を承っております。
「契約書と合意書のどちらを作ればよいかわからない」
「取引先と合意した内容を書面にしておきたい」
「契約を終了するための合意書を作成したい」
このようなお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
当事務所では、お伺いした契約内容や取引状況を踏まえ、行政書士として対応できる範囲で、契約書の作成をお手伝いいたします。
契約書の作成に関するご相談は、静岡県東部のおばた行政書士事務所までお問い合わせください。
契約書の作成ご希望の方は、お問い合わせフォームまたはLINEからご連絡ください。

※紛争性のある法律問題など、行政書士の業務範囲を超える事項については、弁護士等への相談が必要となる場合があります。











