ちょっと役立つコラム

遺言書がない相続手続き~遺産分割協議書が必要になるケースと作成方法【静岡県の行政書士が解説】

遺言書が見つからないとき、必ず必要になる「遺産分割協議書」

ご家族が亡くなり、まず遺言書を探してみたものの
「遺言書が見つからない…」
このようなケースは、実はとても多くあります。

遺言書がない場合、相続手続きを進めるためには「遺産分割協議書」の作成が原則として必要になります。

「名前は聞いたことがあるけれど、何をする書類なの?」
「誰が作るの?」
「自分たちだけで作っても大丈夫?」

今回は、そんな疑問にお答えしながら、遺産分割協議書について分かりやすく解説します。

遺産分割とは何をする手続き?

「遺産分割」とは、亡くなった方(被相続人)の財産を、
誰が・何を・どの割合で相続するのかを相続人全員で決める手続きのことです。

対象となる財産は、不動産や預貯金だけでなく、

  • 自動車

  • 株式や投資信託

  • 借金などの負債

も含まれます。

そして、この話し合いの結果を書面にまとめたものが
「遺産分割協議書」です。

民法ではどのように定められているのか

遺産分割については、民法に以下のような規定があります。

以下、民法の規定を引用します。

 

第三節 遺産の分割

(遺産の分割の基準)

第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。

(遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合の遺産の範囲)

第九百六条の二 遺産の分割前に遺産に属する財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、当該処分された財産が遺産の分割時に遺産として存在するものとみなすことができる。

2 前項の規定にかかわらず、共同相続人の一人又は数人により同項の財産が処分されたときは、当該共同相続人については、同項の同意を得ることを要しない。

(遺産の分割の協議又は審判)

第九百七条 共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その全部又は一部の分割を家庭裁判所に請求することができる。ただし、遺産の一部を分割することにより他の共同相続人の利益を害するおそれがある場合におけるその一部の分割については、この限りでない。

(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)

第九百八条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

2 共同相続人は、五年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割をしない旨の契約をすることができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。

3 前項の契約は、五年以内の期間を定めて更新することができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。

4 前条第二項本文の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、五年以内の期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。

5 家庭裁判所は、五年以内の期間を定めて前項の期間を更新することができる。ただし、その期間の終期は、相続開始の時から十年を超えることができない。

(遺産の分割の効力)

第九百九条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

 

これらの条文から分かるのは、

  • 遺産分割は相続人全員の合意が前提であること

  • 話し合いがまとまらない場合は家庭裁判所に進む可能性があること

  • 被相続人の遺言がある場合は、その内容が優先されること

といった点です。

遺産分割協議書とはどんな書類?

遺産分割協議書とは、相続人全員が合意した遺産の分け方を書面にしたものです。

遺言書と違い、法律で厳密な書式は決められていませんが、以下の点は必ず必要になります。

  • 相続人全員の合意

  • 相続人全員の署名

  • 相続人全員の実印による押印

一人でも欠けると、その協議書は無効になってしまいます。

相続人全員が集まれない場合はどうする?

「相続人が遠方に住んでいる」
「仕事が忙しくて、全員で集まるのが難しい」

このような場合でも、遺産分割協議書は作成できます。

一般的には、

  1. 代表者や専門家が協議書の案を作成

  2. 内容を確認してもらう

  3. 郵送などで署名・実印押印をもらう

という流れで完成させることが可能です。

ただし、内容に不備があると
銀行や法務局で受け付けてもらえないこともありますので注意が必要です。

遺産分割協議書は何に使うの?

完成した遺産分割協議書は、

  • 不動産の相続登記

  • 銀行預金の解約・名義変更

  • 証券口座の名義変更

など、ほぼすべての相続手続きで使用します。

そのため、相続人それぞれが原本を1通ずつ保管するのが一般的です。

法定相続分と違っても大丈夫?

「法律で決まった割合と違ってもいいの?」

というご質問をいただきますが、
相続人全員が合意していれば、法定相続分と異なる分け方でも有効です。

実際の相続では、

  • 介護をしていた人が多めに相続する

  • 自宅は配偶者が取得し、預貯金は子どもが相続する

といった柔軟な分け方が選ばれることも多くあります。

遺産分割協議書に期限はある?

遺産分割協議書そのものには、法律上の作成期限はありません。

ただし、

  • 不動産の相続登記には期限がある

  • 預貯金が長期間凍結されたままになる

  • 相続人同士の関係がこじれてしまう

といった実務上のリスクはあります。

「まだ大丈夫」と思っているうちに、手続きが進められなくなってしまうケースも少なくありません。

専門家に依頼するメリット

遺産分割協議書は、形式上は自分たちで作成することも可能です。

しかし実際には、

  • 相続人の確定に漏れがある

  • 財産の書き方が不正確

  • 銀行や法務局で差し戻される

といったトラブルが起こりやすい書類でもあります。

一度作り直しになると、
相続人全員に再度説明・署名・押印をお願いしなければならず、
精神的な負担も大きくなります。

おばた行政書士事務所ができること

おばた行政書士事務所では、

  • 遺産分割協議書の作成

  • 銀行預貯金の解約や名義変更などの相続手続きのサポート

を中心にお手伝いしています。

相続は、ご家族それぞれの思いや事情が関わるものです。
そのため、無理に話を進めるのではなく、すでにご家族で話し合われた内容を、きちんと「形」にすることを大切にしています。

「この内容で協議書を作っても大丈夫かな」
「銀行手続きはどう進めればいいの?」

そんな具体的な場面で、そっと支えられる存在でありたいと考えています。

相続手続きは、早く正しく進めることが、ご家族の負担を減らす一番の近道です。

 

 

 

 

おばた行政書士事務所では遺産分割協議書の作成・銀行の解約代行のサポートを行っています。

少しでも不安や疑問があれば、まずはお気軽にお問い合わせください。

おばた行政書士事務所へのお問い合わせはこちらから

 

 

LINE公式 おばた行政書士事務所

 

関連記事

ページ上部へ戻る