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契約書を作らずに仕事を始めてしまったら?後から作成できる?【静岡県の行政書士が解説】

「仕事を引き受けたけれど、契約書を作成していなかった」

「すでに業務が始まっているけれど、今から契約書を作っても大丈夫?」

事業を行っていると、このような状況になることもあるのではないでしょうか。

取引先から急ぎの仕事を依頼されたり、以前から付き合いのある相手だったりすると、契約書の作成を後回しにしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、仕事を始めてから契約書を作成していないことに気づくと、不安になる方もいらっしゃると思います。

結論からいうと、仕事を始めた後でも、当事者双方が合意した内容を書面にまとめ、契約書を作成することは可能です。

ただし、契約の種類によっては法律上の方式が定められている場合もあるため、すべての契約について同じように考えられるわけではありません。

今回は、契約書を作成しないまま仕事を始めてしまった場合について、後から契約書を作成する際の注意点を解説します。

 

契約書を作成していなくても契約は成立する?

まず、契約書を作成していない場合、そもそも契約は成立しているのでしょうか。

民法第522条第1項では、契約は、契約の内容を示して申し込んだ意思表示に対して、相手方が承諾したときに成立すると規定されています。

また、同条第2項では、法令に特別の定めがある場合を除き、契約の成立に書面の作成その他の方式を必要としないとされています。

そのため、契約書を作成していなくても、当事者間で合意が成立していれば、法律上、契約が成立している場合があります。

例えば、ホームページ制作を依頼した事業者と、その依頼を引き受けた事業者が、業務内容や報酬について合意した場合を考えてみましょう。

正式な契約書を取り交わす前に制作作業が始まっていても、当事者間の合意によって、すでに契約が成立している可能性があります。

ただし、契約書を作成していなければ、必ず契約が成立しているというわけでもありません。

実際にどのような合意があったのかによって、判断は異なります。

また、民法第446条第2項で定める保証契約のように、法律上、一定の方式が要求される契約もあります。

まずは、契約書の有無だけで判断するのではなく、どのような内容で合意して仕事を始めたのかを確認することが大切です。

 

仕事を始めた後でも契約書は作成できる?

契約書は、必ず仕事を始める前に作成しなければならないというわけではありません。

すでに契約が成立している場合でも、当事者間で合意した内容を後から書面にまとめることは可能です。

民法第521条第2項では、契約の当事者は、法令の制限内において契約の内容を自由に決定できると規定されています。

そのため、法律上の制限に反しない範囲で、当事者が合意した事項を契約書として作成することが考えられます。

ただし、後から契約書を作成する場合には、注意したいことがあります。

それは、すでに合意している内容を確認することと、新しい条件を追加することは別であるという点です。

例えば、仕事を始める際に報酬を10万円とすることで合意していたとします。

その後、契約書を作成する段階になって、一方の当事者が報酬を8万円に変更したいと考えた場合はどうでしょうか。

当初の合意内容が10万円であったならば、契約書を作成するからといって、一方的に8万円へ変更できるわけではありません。

契約条件を変更するのであれば、その変更についても当事者間で合意する必要があります。

後から契約書を作成する際には、すでに成立している合意の内容を正確に確認することが重要です。

 

後から契約書を作成するときは何を確認する?

仕事が始まってから契約書を作成する場合には、通常の契約条件に加えて、現在の取引状況を確認する必要があります。

例えば、次のような事項が考えられます。

① いつから仕事を始めているのか

最初に確認したいのは、実際に業務を開始した時期です。

契約書の作成日と業務の開始日が異なる場合には、その違いを把握しておく必要があります。

また、業務の開始日と契約が成立した日が必ずしも一致するとは限りません。

契約がいつ成立したのか、実際の業務はいつ始まったのか、それぞれ確認することが大切です。

② すでにどこまで仕事が進んでいるのか

次に確認したいのは、現在の業務の進捗状況です。

例えば、業務の一部がすでに完了している場合と、業務を開始したばかりの場合とでは、契約書に記載する内容も異なることがあります。

すでに完了した業務がある場合には、その部分についても契約書に記載するのか、今後の業務についてのみ契約条件を定めるのかを検討する必要があります。

③ 当初の合意内容は何だったのか

契約書を作成する前に、当事者間でどのような内容について合意していたのかを確認します。

例えば、業務内容、報酬、支払時期、納期などです。

これらの事項について、すでに合意している内容と、まだ決まっていない内容が混在している場合もあるでしょう。

後から契約書を作成する際には、それぞれを区別して整理する必要があります。

 

契約書の作成日と契約の開始日は同じでなくてもよい?

契約書を後から作成する際に気になるのが、日付の問題です。

例えば、4月1日から仕事を始めていたものの、契約書を作成するのが4月20日になった場合を考えてみましょう。

この場合、実際に契約書を作成・締結した日と、業務を開始した日が異なります。

しかし、契約書の締結日と業務の開始日は、必ずしも同じ日である必要はありません。

重要なのは、それぞれの日付が何を意味しているのかを明確にすることです。

例えば、実際に契約書を締結した日とは別に、業務を開始した日や、契約条件を適用する期間を記載する方法が考えられます。

契約書を後から作成する場合には、実際の締結日と、契約条件を適用する日を区別することが大切です。

実際には後日締結した契約書について、過去の日付を締結日として記載すると、契約が成立した時期について誤解を生じさせるおそれがあります。

また、過去の期間にも契約条件を適用したい場合には、その内容について当事者間で合意する必要があります。

もっとも、過去にさかのぼって契約条件を適用することが、すべての場合に認められるわけではありません。

契約の種類や適用される法律、第三者の権利なども考慮する必要があります。

そのため、日付について判断に迷う場合には、自己判断で記載するのではなく、契約の内容を踏まえて検討することが大切です。

 

すでに仕事が終わっていても契約書を作成できる?

契約書を作成しないまま、仕事が完了してしまった場合はどうでしょうか。

この場合も、当事者間で合意した内容や、実際に行われた業務について、後から書面にまとめることは考えられます。

ただし、仕事を始める前や業務の途中で契約書を作成する場合とは、状況が異なります。

すでに業務が完了しているのであれば、これから履行する義務を定めるだけでなく、過去にどのような取引が行われたのかを確認する必要があります。

例えば、業務が完了していることや、報酬の支払状況などを確認する場合もあるでしょう。

また、取引が終了していても、当事者間で確認しておきたい事項が残っている可能性もあります。

そのため、必ずしも新しい契約書を作成することが適切とは限りません。

取引の内容や現在の状況によっては、契約書ではなく、すでに合意した事項や業務の完了状況などを確認する書面を作成する方法も考えられます。

大切なのは、単に契約書という名称の書類を作成することではなく、何を記録するための書面なのかを明確にすることです。

 

相手が後から契約書を作成することに応じない場合は?

仕事を始めた後に契約書を作成しようとしても、相手方が応じてくれない場合も考えられます。

このような場合、契約書を作成したいという一方の希望だけで、相手方に署名や押印をさせることはできません。

また、契約書の作成に応じてもらえないからといって、それだけで既存の契約が無効になるわけでもありません。

すでに成立している契約がある場合には、その契約について、どのような合意があったのかが問題になります。

また、契約書の作成に応じてもらえない場合には、それまでのメールやメッセージ、見積書など、合意内容を確認できる資料が残っていないかを確認することも考えられます。

一方で、契約書の内容をめぐって当事者間に意見の相違がある場合には、単なる書類作成の問題ではなく、契約内容をめぐる紛争になっている可能性があります。

そのような場合には、状況に応じて弁護士への相談を検討する必要があります。

 

契約書を後から作成するときは行政書士に相談できる?

仕事を始めてから契約書を作成しようとしても、どのように書面にまとめればよいのか分からない方もいらっしゃると思います。

特に、すでに業務が進んでいる場合には、当初の合意内容と現在の取引状況を踏まえる必要があります。

行政書士法第1条の3では、行政書士が、他人の依頼を受けて報酬を得て、権利義務または事実証明に関する書類などを作成することを業務とする旨が定められています。

契約書は権利義務に関する書類の一つであり、行政書士が作成を取り扱うことができます。ただし、他の法律によって制限される業務は除かれます。

そのため、契約書を作成しないまま仕事を始めてしまった場合でも、当事者間で合意している事項を書面にまとめたいときには、行政書士への相談を検討できます。

例えば、すでに口頭で合意している内容を契約書にしたい場合や、現在の取引状況に合わせた契約書を作成したい場合などです。

一方、相手方との間で契約内容や報酬などについて紛争が生じている場合には、行政書士が対応できる範囲を超えることがあります。

そのような場合には、弁護士への相談が適切です。

 

まとめ|契約書は仕事を始めた後でも作成できる

契約書を作成しないまま仕事を始めてしまっても、後から契約書を作成することは可能です。

ただし、すでに契約が成立している場合には、当初の合意内容や業務の進捗状況を確認する必要があります。

また、契約書を作成する日と業務を開始した日が異なる場合には、それぞれの日付の意味を明確にしておくことが大切です。

すでに仕事が完了している場合でも、合意内容などを書面にまとめることは考えられますが、どのような書類を作成するのが適切かは、取引の状況によって異なります。

契約書を作成していなかったからといって、今から書面を作成することを諦める必要はありません。

まずは、現在の取引状況を確認し、どのような内容を書面に残す必要があるのかを整理してみましょう。

 

契約書の作成はおばた行政書士事務所へご相談ください

おばた行政書士事務所では、契約書の作成に関するご相談を承っております。

「契約書を作成する前に仕事が始まってしまった」

「取引先と合意した内容を、後から契約書にまとめたい」

「すでに業務が進んでいるけれど、どのような書面を作成すればよいか分からない」

このようなお悩みはありませんか?

契約書の作成が後回しになってしまった場合でも、現在の状況によっては、書面を作成できる可能性があります。

当事務所では、お伺いした契約内容や取引状況を踏まえ、行政書士として対応できる範囲で、契約書の作成をお手伝いいたします。

契約書の作成に関するご相談は、静岡県東部のおばた行政書士事務所までお問い合わせください。

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