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委託業務を守るための契約書作成のコツ【静岡県の行政書士が解説】

業務委託契約書は、委託者と受託者の間で業務の内容や責任、報酬などを明確にし、トラブルを未然に防ぐために重要な役割を果たします。今回は、業務委託契約書の作成で押さえておきたいポイントを具体例とともに解説します。

業務内容を具体的に記載する

業務委託契約書において最も基本となるのは、業務内容を具体的に記載することです。曖昧な表現では、後々のトラブルの原因となることが多いため、詳細な記述が必要です。

「マーケティング支援」ではなく、「月次報告書の作成、SNS用投稿素材の作成、週1回の打ち合わせ参加」といった具体的なタスクを明示する。

報酬や支払い条件を明示する

報酬の額や支払い条件を明確に記載することは、委託業務の適正な実行を促し、後の未払いや支払い遅延といったトラブルを防ぎます。

「月末締め、翌月末日までに銀行振込」と具体的な締日と支払期日を契約書に記載する。

責任範囲と瑕疵担保責任の取り決め

業務に対してどのような責任を持つのか、また、業務結果に瑕疵が生じた際の対応について記載しておくと、トラブルが発生したときの対処がスムーズになります。

「受託者は、納品物に重大な瑕疵があった場合、委託者からの通知を受けてから10日以内に無償で修正を行う」といった条項を盛り込む。

秘密保持条項を取り入れる

業務遂行中に知り得た機密情報の取り扱いについても、契約書内で明示しておくことが重要です。これにより、情報の漏洩や不正利用を防ぐことができます。

「受託者は、業務の遂行に関連して知り得た情報を第三者に開示してはならない。業務終了後も同様とする」という秘密保持条項を設ける。

契約期間と解除条件の明示

業務委託契約書では、契約期間や解除条件も重要なポイントです。期間を定めることで、受託者が業務を実行する範囲とタイミングを管理できます。

また、契約解除の条件を明確にすることで、予期しないトラブルを防ぎます。

「契約期間は2024年1月1日から2024年12月31日までとし、双方が30日前の書面通知により契約を解除できる」と明示する。

 

紛争解決条項の追加

万が一のトラブル発生時に、どのように解決を図るかを契約書内に記載しておくことで、裁判に至る前にスムーズな解決が期待できます。

「本契約に関する紛争が生じた場合、東京地方裁判所を専属的合意管轄裁判所とする」といった条項を盛り込む。

まとめ

業務委託契約書は、業務内容を明確にするだけでなく、報酬、責任範囲、秘密保持、契約期間、解除条件、そして紛争解決の方法を網羅的に記載することで、委託者と受託者双方の安心を確保します。民法や不正競争防止法などの関連法令を参照しつつ、具体的な記述を心がけた契約書作成が、委託業務を守るための第一歩です。

 

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