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BCPの被害想定の整理はどうすれば良いのか?8つのポイント【静岡県の行政書士が解説】

被害想定は、インプット→プロセス→アウトプットという業務の流れに経営資源が使用できない状況を当てはめることで、さまざまな被害の想定が導かれます。

このようにたくさん導かれた被害の想定をどのように整理すればよいのでしょうか。今回は被害の想定について8つのポイントにしぼって解説します。

 

①大切な業務用資産が使用できない

製造業であれば機械装置や製造工程設備、デスクワークならPCや電話、ファックス、コピー機…その他日常業務に不可欠な資産が使用できない状態にあることを指します。

おもに地震や水害、火災、落雷等の物理的な影響による破損や故障を対象とします。

 

②大切なデータや文書資産を失う

事業活動のなかで生み出される唯一無二のデータ資産や契約書、設計図、保証書その他重要書類などが失われてしまうことを指します。このような重要なデータのバックアップや書類のコピー(または原本)の保管はビジネスの習慣として定着しています。しかし、同じ社内の別の部屋に保管するだけでは同時被災の危険を免れることはできません。

 

③社員が帰社、出社できない

大きな災害では自宅の被災やケガ、退社による業務担当者の欠員が出ます。また、公共交通機関が利用できなかったり、道路が寸断されたりする可能性も考えられます。このことにより、社員は「帰宅できない」「出社できない」といったことが起こりうるのです。社員が出社できずに業務に欠員が出る事態は、感染症の拡大でも起こり得ることです。

 

④停電が続く

私たちは、停電になっても「しばらく待てばそのうち電気を戻るから大丈夫だ」とわりと安易に考えますよね?私もそうです。しかし、実際は災害があると電力需給のバランスが崩れてしまい、大停電が何日も続く可能性もあると考えられます。自然災害に限らず、長時間停電のリスクは身近なところにもあるかもしれないのです。

 

⑤電話やネットワークがつながらない

固定電話や携帯電話の回線が過度に混雑してしまいつながらなくなる可能性があります。これは電話だけだはなく、インターネットやLANの寸断でもあり得ることです。

また、自分の会社の回線はつながっていても、相手先、消費者、サービスプロバイダーの被災による寸断も考慮しなければなりません。

 

⑥商品・現在料・サービスの調達困難

原材料や商品が入荷できないことによる影響が深刻であることは、会社の規模に関わらず同じです。災害のリスクを想定する場合、自社の被災だけではなく、重要な仕入元の被災の考慮も必要です。重要な仕入元が被災してしまうと商品や原材料が受け取れない、注文できない、重要な外注委託業者が業務を停止してサービスの供給を受けられないといった事態も想定しましょう。

 

⑦建物に入れない

火災や地震、液状化、地盤沈下、土砂崩れ、水害、耐震不足など…さまざまな状況が考えられます。建物に入れないことで災害対策本部が設置できない、社員の活動拠点が確保できないといった事態に直面します。このような事態にならないように代替施設を考えることが大切です。

 

⑧業種・業務固有の被害想定

業種や業務によって異なる独自のものがあるはずです。たとえば周辺住民の危険の増大等です。①~⑦にあてはまらないものを書き出してみましょう。

 

このように被害想定を整理し、洗い出すことはBCPを策定するためにとても大事なポイントとなります。

 

なお、令和6年度から、障害福祉サービス事業所に対してBCPの作成が義務付けられることになっています。

 

 

BCPについて詳しく知りたい方はこちらをご参照下さい。

4.BCP(業務継続計画) (wam.go.jp)

 

 

 

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