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成年後見制度適正化法について【静岡県の行政書士が解説】

成年後見制度適正化法とは…

 

成年後見制度適正化法とは、成年後見制度を利用する人々の権利を保護し、制度の運用を適正化するために制定された法律です。この法律は、成年後見制度を利用する人々が、自分自身の意思で生活を送ることができるように支援することを目的としています。

 

この法律は、成年後見制度に関する規定を改正し、被後見人の権利を保護するための措置を講じることを定めています。また、後見人に対する指導・監督体制の整備や、後見人の資格要件の明確化なども行われています。令和元年6月7日に成立し、令和元年6月14日に公布されました。

成年被後見人等を資格・職種・業務等から一律に排除する規定等(欠格条項)を設けている各制度について、心身の故障等の状況を個別的、実質的に審査し、各制度ごとに必要な能力の有無を判断する規定(個別審査規定)へと適正化するとともに、所要の手続規定を整備します。審査の対象とされる法律は、180法律を超えると言われています。

成年後見制度適正化法は、成年後見制度を利用する人々の権利を保護し、制度の運用を適正化するために制定された法律です。

 

そもそも欠格条項とは何か?

 

資格・職種・業務等から排除される条件を定める規定のことです。例えば、以下のような例があります。

○ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わっ た日から起算して3年を経過しない者

○ 当該法律による許可の取消しを受けた日から 起算して5年を経過しない者

○ 暴力団員

○ 破産手続開始決定を受けて復権を得ない者

○ 未成年者

○ アルコール、麻薬、大麻、あへん又は覚醒剤 の中毒者

 

なぜ、見直しをすることになったのか?

 

成年被後見人等の欠格条項については、例えば以下のような問題点が指摘されてきました。

① ノーマライゼーション等を基本理念とする成年後見制度を利用することで、逆に資格等から排除されるのは疑問

② 同程度の判断能力であっても、制度の利用者のみが資格等から排除されるのは不合理

③ 数多くの欠格条項の存在が制度利用を躊躇させる要因となっている

 

そのような中で、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」(平成28年5月施行)や、「成年後見制度利用促進基本計画」(平成29年3月閣議決定)において、こうした欠格条項の見直しを速やかに行うこととされました。

 

 

どのような見直しが行われたのか?

 

成年後見制度を利用していることをもって資格等から一律に排除する扱いを改め、資格等に相応しい能力の有無を個別的・実質的に審査・判断する仕組み(個別審査規定)へと見直されました。具体的な仕組みについては、それぞれの資格等を所管する担当省庁が適正に整備し、運用していくことになります。具体的には、「成年被後見人又は被保佐人」といったこれまでの形式的な条項を削除し、「心身の故障により業務を適正に行うことができない」等の個別審査規定を整備し、これに該当するかを審査・判断することとなります。

 

詳しくはこちらをご参照ください。

成年被後見人等の欠格条項の見直し に関する法改正について(厚生労働省)

成年後見制度利用促進 ニュースレター(厚生労働省)

 

 

成年後見制度についてはこちらをご参照ください。

成年後見はやわかり|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

 

 

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