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10.232026
ネットの契約書テンプレートをそのまま使っても大丈夫?【静岡県の行政書士が解説】

インターネットで「契約書 テンプレート」「契約書 ひな形」などと検索すると、無料でダウンロードできる契約書が数多く見つかります。
Word形式で提供されているものもあり、会社名や契約金額などを入力するだけで、簡単に契約書を作成できるため、利用を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、ネット上で公開されている契約書のテンプレートを、そのまま使用しても問題ないのでしょうか。
結論から言えば、テンプレートを使用すること自体に法律上の問題があるとは限りません。ただし、その内容が実際の取引に適しているかどうかは、別の問題です。
今回は、ネットの契約書テンプレートを使用する際の注意点や、確認しておきたい事項について解説します。
ネットの契約書テンプレートをそのまま使っても有効?
まず、契約書のテンプレートを使用したからといって、それだけで契約が無効になるわけではありません。
民法第521条第2項では、契約の当事者は、法令の制限内において契約内容を自由に決定できるとされています。
また、民法第522条第1項では、契約は申込みに対して相手方が承諾したときに成立すると定められています。
つまり、契約書を一から作成したか、既存のテンプレートを使用したかという違いだけで、契約の効力が決まるものではありません。
ただし、テンプレートに記載された条項について当事者が合意していたとしても、法令に反する内容などが含まれていれば、その条項の全部又は一部が無効となる場合があります。
テンプレートを利用する際には、契約内容だけでなく、関連する法律にも注意する必要があります。
契約書テンプレートをそのまま使用する場合の注意点
1.実際の取引内容と一致しているとは限らない
同じ種類の契約であっても、当事者によって取引条件は異なります。
例えば、業務委託契約書であれば、委託する業務の内容、契約期間、報酬の支払条件などは取引ごとに異なるでしょう。
また、契約書のテンプレートには、特定の取引を想定して作成された条項が含まれている場合もあります。
そのため、契約書の名称が自分の希望するものと一致していても、記載されている内容まで適しているとは限りません。
特に注意したいのは、契約書の中に、自分たちの取引では予定していない義務が記載されている場合です。
例えば、単発の取引を予定しているにもかかわらず、継続的な取引を前提とした条項が含まれていることも考えられます。
契約書のタイトルだけで判断するのではなく、それぞれの条項が、実際に合意した内容と一致しているかを確認することが大切です。
2.自分に不利な条項が含まれている可能性がある
契約書のテンプレートには、当事者の一方に有利な内容が記載されている場合があります。
例えば、次のような条項です。
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もちろん、契約当事者の権利や義務が完全に対等でなければならないというわけではありません。
民法第521条第2項により、当事者は法令の制限内で契約内容を決定できるため、合意によって負担の内容に違いが生じることもあります。
しかし、内容を十分に理解しないまま契約を締結すると、想定していなかった義務を負う可能性があります。
特に、相手方から契約書を提示された場合には、自分が負う義務だけでなく、相手方が負う義務についても確認することが重要です。
3.法律に反する条項が含まれている場合がある
契約書に記載されている内容が、すべて法律上有効になるわけではありません。
民法第90条では、公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は無効とされています。
また、民法第91条では、公の秩序に関しない規定と異なる意思を当事者が表示した場合、その意思に従うと定められています。
このように、法律には当事者の合意によって異なる内容を定められる規定がある一方、当事者の合意だけでは排除できない法令上の制限もあります。
例えば、事業者と消費者との間で締結される消費者契約については、消費者契約法が適用される場合があります。
消費者契約法第8条では、事業者の損害賠償責任を免除する一定の条項が無効とされています。
そのため、消費者との契約において「当社はいかなる場合も一切責任を負わない」といった条項を設けても、その内容が法律上有効になるとは限りません。
なお、消費者契約法は、すべての契約に一律に適用されるものではありません。
どの法律が適用されるかは、契約当事者や取引内容によって異なります。
テンプレートに記載されているからといって、その内容が必ず法律上認められると考えることは避けた方がよいでしょう。
4.法律が改正されている可能性がある
契約書のテンプレートを使用する際には、その作成時期にも注意が必要です。
法律は改正されることがあるため、以前作成された契約書が、現在の法令に対応しているとは限りません。
例えば、2020年4月1日に施行された改正民法では、債権関係の規定について大幅な見直しが行われました。
その中には、契約不適合責任や債務不履行による損害賠償など、契約書の内容に関係する規定も含まれています。
もっとも、古いテンプレートだからといって、必ず使用できないというわけではありません。
重要なのは、契約を締結する時点で適用される法令との関係を確認することです。
ダウンロードしたテンプレートに作成日や更新日が記載されている場合には、その日付も確認しておきましょう。
ただし、更新日が新しいという理由だけで、内容が正確であると判断することもできません。
テンプレートを修正するときに確認したいこと
ネット上の契約書テンプレートを使用する場合には、会社名や金額などを入力するだけでなく、契約書全体を確認することが大切です。
特に、次のような点を確認しておきましょう。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 契約の目的 | 実際に行う取引と一致しているか |
| 当事者の義務 | それぞれが負う義務を理解しているか |
| 契約期間 | 開始日・終了日・更新条件が適切か |
| 費用負担 | 誰がどの費用を負担するのか |
| 契約の終了 | 解除や期間満了の条件が適切か |
| 損害賠償 | 責任を負う場合や範囲が適切か |
| 関連法令 | 適用される法律に反していないか |
また、不要と思われる条項を削除する場合にも注意が必要です。
例えば、契約書の一部を削除した結果、別の条項から削除した条項を参照している箇所が残ってしまうことがあります。
このような場合、条項同士の関係が不明確になる可能性があります。
契約書の修正は、単に文章を追加したり削除したりするだけではありません。
修正した内容が、他の条項と矛盾していないかまで確認する必要があります。
無料の契約書テンプレートを使用する際は利用条件も確認
契約書のテンプレートをダウンロードするときには、公開元が定めている利用条件も確認しておきましょう。
無料で公開されているからといって、必ずしも自由に利用できるとは限りません。
例えば、公開元によっては、商用利用や改変、再配布などについて条件が設けられている場合も考えられます。
また、著作権法第2条第1項第1号では、著作物について、思想又は感情を創作的に表現したものと定義しています。
契約書のテンプレートについても、創作性のある表現が含まれている場合には、著作権法による保護の対象となる可能性があります。
ただし、すべての契約書テンプレートが著作物に該当するわけではありません。
また、著作物に該当する場合であっても、利用条件や利用方法によっては、権利者の許諾を得て使用できることがあります。
そのため、テンプレートをダウンロードする際には、公開元が定めている利用条件も確認しておきましょう。
すでにテンプレートを使って契約書を作成した場合は?
すでにネット上のテンプレートを使用して契約書を作成した場合でも、それだけを理由に作り直す必要があるとは限りません。
まずは、実際に作成した契約書の内容を確認しましょう。
特に、契約の当事者、契約期間、当事者が負う義務、解除条件などについて、合意した内容が正しく反映されているか確認することが大切です。
なお、すでに契約を締結している場合には、一方の当事者が自由に契約内容を変更できるとは限りません。
契約内容を変更するには、原則として当事者間の合意が必要ですが、法律や契約の定めによって取扱いが異なる場合もあります。
そのため、契約締結後に修正したい部分が見つかった場合には、契約内容や適用される法律を確認する必要があります。
また、契約内容についてすでに当事者間で争いが生じている場合には、弁護士への相談が適切です。
契約書の新規作成は行政書士に相談できる?
ネット上の契約書テンプレートを参考にしていても、実際に使おうとすると、判断に迷う部分が出てくることがあります。
例えば、「この条項は自分の取引にも必要なのか」「不要な部分を削除しても問題ないのか」「希望する条件をどのように文章にすればよいのか」といった疑問です。
契約書のテンプレートは、あらかじめ想定された取引を基に作成されているため、実際の取引内容に合わせようとすると、大幅な修正が必要になる場合もあります。
そのような場合には、テンプレートを修正するのではなく、最初から取引内容に合わせた契約書を作成することも一つの方法です。
行政書士は、行政書士法第1条の3に基づき、権利義務に関する書類などの作成を業務としています。
おばた行政書士事務所では、法律上取り扱える範囲で、ご依頼者様の取引内容やご希望を伺い、契約書の新規作成を承っております。
ネット上のテンプレートでは対応が難しいと感じた場合には、お気軽にご相談ください。
まとめ|契約書テンプレートは内容を確認してから使用しましょう
ネット上の契約書テンプレートは、契約書を作成する際の参考資料として利用できます。
ただし、テンプレートに記載されている内容が、すべての取引に適しているわけではありません。
会社名や金額を入力するだけで完成させるのではなく、実際の取引内容や関連する法律に照らして、各条項を確認することが大切です。
また、テンプレートの一部を修正した場合には、他の条項との整合性についても確認する必要があります。
契約書の内容に疑問がある場合や、自分の取引に合う契約書を作成したい場合には、専門家への相談も検討してみてください。
おばた行政書士事務所では、契約書の新規作成についてご相談を承っております。
「ネットのテンプレートでは、自分の取引に合うものが見つからない」
「テンプレートを使うのではなく、自分の取引内容に合わせた契約書を作成したい」
契約書の作成に関するご相談は、静岡県東部のおばた行政書士事務所までお問い合わせください。
契約書の作成ご希望の方は、お問い合わせフォームまたはLINEからご連絡ください。

※紛争性のある法律問題など、行政書士の業務範囲を超える事項については、弁護士等への相談が必要となる場合があります。











