ちょっと役立つコラム
6.272026
【静岡県】温泉利用許可の必要書類を行政書士が解説|申請書だけでは取得できません

最近、お客様から
「温泉利用許可って、申請書を提出すれば取得できるんですよね?」
というお話をいただくことが続きました。
「許可申請」と聞くと、申請書を一枚作成して提出すれば終わるようなイメージを持たれる方も少なくないのかもしれません。
しかし、実際の温泉利用許可は、そのような簡単な手続きではありません。
もちろん、施設の規模や温泉の利用方法によって必要書類は異なりますが、申請書だけで許可を取得できるものではなく、多くの添付書類や図面、場合によっては保健所との事前相談も必要になります。
今回は、静岡県で温泉利用許可を申請する場合を例に、どのような書類が必要になるのかをご紹介します。
温泉利用許可とは
静岡県で温泉を公共の浴用または飲用に利用する場合には、温泉法に基づく「温泉利用許可」を受けなければなりません。
申請には静岡県証紙による手数料が必要ですが、それ以上に時間と手間がかかるのが、添付書類の準備です。
共通して必要となる主な書類
静岡県では、代表的な書類として次のようなものが必要になります。
- 温泉利用許可申請書
- 誓約書
- 旅館等の平面図
- 特殊装置の概要書(循環ろ過装置や加熱装置などがある場合)
- 案内図
- 配管の概要図
これだけを見ると、「書類が少し多いだけ」と感じるかもしれません。
しかし、本当に大変なのは、書類の枚数ではなく、その内容です。
図面があれば提出できるわけではありません
例えば、旅館等の平面図。
建築時の図面をそのまま提出すればよいというものではありません。
浴室や浴槽の位置、浴槽の容積、飲用設備の位置、配管状況など、保健所が確認するために必要な内容を図面へ反映させる必要があります。
また、温泉が源泉から施設までどのように供給されているのか、配管の口径や材質などを示した図面も必要になります。
そのため、お客様がお持ちの図面をそのまま使用できるケースばかりではなく、図面の修正や追加資料の作成が必要になることもあります。
設備によって必要書類は変わります
施設に循環ろ過装置や加熱装置などを設置する場合は、その設備の概要書も必要になります。
さらに、貯湯槽や中継槽を設ける場合には、それらを図面へ記載しなければならないこともあります。
つまり、すべての施設で同じ書類を提出するわけではありません。
施設の設備や利用方法によって、必要となる資料は変わってきます。
飲用する場合はさらに多くの資料が必要です
温泉を飲用として利用する場合には、浴用よりもさらに多くの資料が必要になります。
例えば、
- 水質検査結果
- 管理方法を記載した書類
- 温泉供給業者の承諾書(該当する場合)
- 施設点検記録表(該当する場合)
などが必要になります。
飲用は人体へ直接影響するため、衛生管理についても詳細な確認が行われます。
法人の場合は法人関係書類も必要です
申請者が法人の場合には、
- 登記簿謄本
- 定款または寄附行為の写し
なども必要になります。
個人で申請する場合とは必要書類が異なるため、申請者の形態によって準備する資料も変わります。
必要書類はこれだけではありません
ここまでご紹介したのは、代表的な必要書類です。
実際には、温泉成分等掲示届や温泉分析書の写し、掲示場所を示した平面図、温泉利用承認承諾書なども、申請時に提出します。
また、保健所との協議内容や施設の状況によっては、追加資料の提出や図面の補正を求められることもあります。
そのため、ホームページなどで必要書類の一覧を見るだけでは、実際に何を準備すればよいのか判断できないケースも少なくありません。
行政書士の仕事は申請書を書くことだけではありません
温泉利用許可では、単に申請書を作成するだけではなく、
- どの書類が必要なのかを整理すること
- 図面の内容を確認・修正すること
- 保健所へ事前相談を行うこと
- 法令や運用を確認すること
- お客様から必要な資料を整理すること
など、多くの工程があります。
施設ごとに状況が異なるため、同じ温泉利用許可であっても、準備する内容は一件ごとに変わります。
そのため、行政書士は申請書を代筆するだけではなく、申請全体を組み立て、円滑に許可取得まで進めるためのサポートを行っています。
最後に
温泉利用許可は、利用者が安全に温泉を利用できるようにするための大切な制度です。
そのため、提出書類も多く、それぞれに意味があります。
「申請書一枚で終わる手続き」と思われることもありますが、実際には施設の状況に応じて必要書類を確認し、図面を整え、保健所と調整しながら進めていく専門性の高い許可申請です。
静岡県で温泉利用許可をご検討されている方は、お気軽にご相談ください。
施設の状況を確認しながら、必要書類の整理から保健所との事前相談、申請まで丁寧にサポートいたします。

なお、温泉法については、実務として関わる中で、講師としてお話しさせていただく機会もいただいています。
制度の基本的なところから、実務でつまずきやすいポイントまで、できるだけイメージしやすい形でお伝えすることを心がけています。
温泉に関する手続きは少し分かりにくい部分もあるため、事業者様向けの勉強会や研修などでも、お役に立てる場面があるかもしれません。
講師のご依頼については、こちらにまとめていますので、よろしければご覧ください。











