ちょっと役立つコラム
8.122025
お盆の帰省は相続や遺言を話す絶好のタイミング【静岡県の行政書士が解説】

お盆は家族が自然と集まる特別な時期
お盆といえば、先祖を供養するために家族や親戚が集まる、日本ならではの大切な習慣です。
普段は離れて暮らしていても、この時期だけは地元に帰省し、食卓を囲みながら近況を報告し合う——そんなご家庭も多いでしょう。
実はこの「家族が集まる」という状況は、相続や遺言について話す絶好の機会でもあります。
日常生活の中ではなかなか切り出せない話題ですが、お盆は「家族のつながり」や「これまでの歩み」を自然に意識できる時期だからこそ、落ち着いて話し合いやすいのです。
なぜお盆に相続や遺言の話がしやすいのか
1. 家族全員が顔をそろえるタイミング
お盆の帰省では、普段は遠方に住んでいる兄弟姉妹や子ども世代が一堂に会します。
相続や遺言の話は、関係者全員が同じ場所に集まっている方がスムーズに進みます。
電話やメールでは誤解が生じやすく、話題が途中で止まってしまうこともあります。
2. 先祖や家族の歴史を振り返る自然な流れ
お墓参りをしたあとに、「このお墓は誰が守るの?」という話になることも少なくありません。
先祖や家族の歴史を振り返る流れで、財産や家のことについても話題にしやすいのです。
3. 感情的になりにくい雰囲気
お盆はあくまで家族行事ですから、話し合いの空気はお祝いの席や冠婚葬祭ほど緊張しません。
気持ちに余裕がある分、落ち着いて話ができる可能性が高まります。
話し合うべき内容の例
お盆の場でいきなり「遺言書を書いて」では、相手も構えてしまいます。
自然に話を進めるためには、まず身近な話題から入るのがおすすめです。
家や土地のこと
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実家や持ち家を将来どうするか
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誰が住み続けるのか、売却するのか
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固定資産税や維持費の負担
お墓や仏壇のこと
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誰が守るのか、将来的に墓じまいをするのか
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距離や費用の問題をどう解決するか
預貯金やその他の財産
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どこに何があるのか把握しているか
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必要なときにすぐ確認できる状態か
介護や医療の希望
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病気や介護が必要になったときの希望
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延命治療や施設利用の考え方
話し合いをスムーズにするコツ
「未来の安心」の話として切り出す
「相続の話=お金の取り合い」という印象を持たれがちですが、
実際には「家族が困らないように準備する」という前向きな意味があります。
「もしものときに困らないように」や「家族に負担をかけたくないから」という切り口だと受け入れやすくなります。
一度で結論を出そうとしない
お盆の帰省中にすべてを決める必要はありません。
初回はあくまで「きっかけ作り」として、今後の話し合いにつなげる程度でOKです。
メモを取っておく
誰が何を言ったのかを後から確認できるように、メモを残しておくと安心です。
内容によっては録音や写真も役立ちます。
遺言書作成のすすめ
話し合いをきっかけに、実際に遺言書を作成しておくと、相続時のトラブルを大きく減らせます。
遺言書は大きく分けて「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」があります。
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自筆証書遺言
手軽に作れるが、書き方の不備で無効になるリスクがある。
法務局の保管制度を利用すると安全性が上がる。 -
公正証書遺言
公証役場で作成し、原本が保管されるため安全性が高い。
費用はかかるが、確実に内容を実行できる。
行政書士は遺言書作成に関する文案作成や必要書類の準備をお手伝いできます。
書き方のルールや形式の整え方についてもサポートできるため、確実性が高まります。
行政書士に相談するメリット
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家族間での話し合いで出た内容を、第三者の立場から書類に整理してまとめられる
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遺言や相続に関する書類作成の手間を減らせる
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必要に応じて司法書士や税理士など、他の専門家とも連携可能
行政書士は、当事者同士の交渉や仲裁を行うことはできませんが、
話し合いでまとまった内容を正確かつ分かりやすく書面化し、将来の誤解やトラブルを防ぐお手伝いができます。
まとめ:お盆の会話が家族の未来を守る
お盆は、単にお墓参りや帰省をするだけでなく、家族の未来を考える時間にもできます。
「相続や遺言の話なんて縁起でもない」と思う方もいるかもしれません。
しかし、誰もがいずれ迎える日を見据えて準備することは、家族への思いやりそのものです。
この夏は、お盆の団らんのひとときに、少しだけ「これからのこと」を話してみませんか?
その一歩が、将来の安心と円満な家族関係につながります。
おばた行政書士事務所はお盆期間中も休まず営業しています!
まずはお気軽にご相談ください。
あなたの想いに寄り添いながら、全力でサポートいたします。