ちょっと役立つコラム
11.82023
日本の遺言の起源
遺言書のことを色々考えていたら、ふと、日本の遺言書はいつからあるのだろうか??と疑問に思うことがありまして…
調べてみることにしました。
調べてみると…
養老律令の「応分の条」に遺言のようなことが書かれているようです。
詳しくはこちらをご参照ください。
戸令 全45条中23〜45条_現代語訳「養老律令」|官制大観_律令官制下の官職に関するリファレンス (dti.ne.jp)
そもそも養老律令とは、古代日本で、757年天平宝字元年に施行された基本法令です。
今から1200年以上前に遺言という概念が存在していたということに驚きです。
701年に制定された大宝律令を718年藤原不比等が中心となって修正、選定していき、後にその孫の藤原仲麻呂の主導で施行されることになったものです。
これはローマ法を引き継いだものではなく、東洋独自の発生と思われます。
養老律令で遺言に当たる「存日処分」は、「生前に死後のための処分をする」ことです。
「亡人の存日処分、証拠灼然たるものは、この令を用いず」と規定されています。「この令」が養老令に規定された遺産相続法のことで、「存日処分」があった場合は、法定相続にならないということです。
このことから、日本の律令法は遺言相続主義であり、法定相続は、遺言がなかった場合の補充的規定に過ぎなかったと言えるでしょう。
これは現代でも同じですね。
ということは…やはりいつの時代も遺言書が優先だったということが言えますね。
自分が亡くなり、相続の手続が始まった場合、遺言書があればスムーズだということがこの時代から分かっていたことなのかもしれませんね。
原文はこちらからご参照ください。
大宝令新解 – 国立国会図書館デジタルコレクション (ndl.go.jp)
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