ちょっと役立つコラム
11.222024
自筆証書遺言の保管制度を使うときに知っておきたいこと【静岡県の行政書士が解説】
自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)は、自分で作成する遺言書として多くの方に知られています。しかし、自分だけで保管していると、紛失や破損、発見されないリスクがあります。そんな課題を解決するために導入されたのが「自筆証書遺言の保管制度」です。
この記事では、この保管制度を利用する際に知っておきたいポイントを分かりやすくお伝えします。
自筆証書遺言とは?
まず、自筆証書遺言について簡単におさらいしましょう。これは、遺言者本人が手書きで作成する遺言書のことです。作成に費用がかからず、自分のタイミングで自由に作れる点が大きな特徴です。ただし、法的な形式を守る必要があるため、誤りがあると無効になるリスクもあります。
保管制度の目的とメリット
自筆証書遺言の保管制度は、2020年7月から開始されました。この制度の目的は、自筆証書遺言を安全かつ確実に保管し、遺言の効力を確保することです。主なメリットは次の3つです
1.紛失や破損の心配がない
保管された遺言書は、法務局が厳重に管理します。これにより、家の中で誤って捨てられることや、災害による損失を防ぐことができます。
2.偽造や改ざんのリスクを低減
法務局での保管が義務付けられるため、第三者が不正に手を加える可能性が低くなります。
3.家庭裁判所での検認手続きが不要
通常、自筆証書遺言は、家庭裁判所で検認という手続きが必要ですが、保管制度を利用した遺言書についてはこの手続きが不要です。そのため、相続の手続きをスムーズに進めることができます。
保管制度を利用する流れ
保管制度を利用するには、次のような手続きが必要です。
1.遺言書を作成する
自筆証書遺言の形式に従って、手書きで遺言書を作成します。全てのページに署名と日付を記載し、押印も忘れないようにしましょう。
2.法務局へ申し出る
遺言者本人が、遺言書を保管する法務局に出向きます。このとき、本人確認書類(運転免許証など)が必要です。
3.手数料を支払う
遺言書1通につき、3900円の保管料がかかります。手数料は現金で支払います。
4.保管証を受け取る
保管の手続きが終わると、法務局から保管証が交付されます。この保管証は大切に保管しましょう。
行政書士ができるサポート
行政書士は、遺言書の文案作成をお手伝いすることができます。遺言書の内容を考える際、「これで大丈夫かな?」と不安に思う方も多いのではないでしょうか。そんなときに頼りになるのが行政書士です。
遺言書には法的なルールがあるため、専門的な知識が必要です。行政書士は、お客様の思いをしっかりと伺いながら、形式に則った文案を作成します。ただし、注意点として、行政書士は法務局への提出代行や保管手続きの代理は行えません。あくまでも文案作成のサポートが中心です。
保管制度の注意点
保管制度を利用する前に、次のような点に気を付けましょう
✓内容の確認を怠らない一度保管された遺言書の内容は、遺言者が法務局で閲覧することでしか確認できません。保管前にしっかり確認することが重要です。 ✓変更が必要な場合は新たに作成遺言書の内容を変更したい場合は、新しい遺言書を作成し、改めて保管手続きを行う必要があります。古い遺言書は撤回されます。 ✓保管制度を利用しても無効になる場合がある形式を守っていなければ、保管制度を利用しても遺言書が無効になることがあります。 |
詳しくはこちらをご参照下さい
遺言書は家族への思いやり
遺言書を作成し、保管制度を活用することは、残されたご家族への思いやりです。自分の意志をしっかりと伝えることで、相続トラブルを防ぎ、家族の負担を減らすことができます。
もし遺言書の作成でお悩みの場合は、ぜひ行政書士にご相談ください。一緒に、あなたの思いを形にするお手伝いをさせていただきます。
まとめ
自筆証書遺言の保管制度は、遺言書を安全に保管し、効力を確実にするための便利な仕組みです。ただし、形式を守ることが大前提です。
行政書士のサポートを活用しながら、ぜひこの制度を上手に利用してくださいね。
おばた行政書士事務所では遺言書の作成のサポートを行っています。
まずはお気軽にお問い合わせください。