ちょっと役立つコラム

「遺言なんてまだ早い」と思うあなたへ~未来の準備~【静岡県の行政書士が解説】

「遺言」と聞くと、なんだか大げさなことに思えて、つい尻込みしてしまう方も多いのではないでしょうか。
「まだ元気だし、そこまでしなくても…」とか、「公正証書遺言なんて、偉い人が作るものだよね」なんて。
そんなふうに感じているあなたに、まずはもっと気軽にできるファーストステップをご紹介したいと思います。

ポイントは、一歩ずつ進めばいいということ。
最初から完璧な遺言書を目指さなくても大丈夫です。
小さな一歩から、あなたらしい未来への準備をはじめてみませんか?

まずはエンディングノートから

エンディングノートは、「自分の思いを自由に書き留めるノート」です。
決まった書き方も、厳密なルールもありません。
市販のものを使ってもいいですし、自分でノートを一冊用意してもかまいません。

たとえば、こんなことを書き留めていきます。

  • これまでの人生で大切にしてきたこと

  • 大事な人へのメッセージ

  • もしものときに知らせてほしい人たちの連絡先

  • 医療や介護について希望すること

  • 葬儀やお墓に関する希望

  • 財産についての簡単なメモ

「まだ考えがまとまらないな」というときは、書けるところだけでも大丈夫。
思いついたときに、少しずつページを埋めていく感覚で進めていきましょう。

エンディングノートは、法的な効力はありません。
でも、「自分がどうしたいか」を言葉にしておくことで、万一のときに家族が困らずにすみますし、何より自分自身の安心につながります。

次のステップ、自筆証書遺言へ

エンディングノートを書いていくうちに、
「この想いはちゃんと形にしておきたいな」
「やっぱり財産のことははっきりさせておいた方がいいかな」
そんな気持ちが芽生えてきたら、次のステップです。

それが「自筆証書遺言」。
自分で全文、手書きして作る遺言書のことです。

自筆証書遺言には、いくつかルールがあります。

  • 全文を手書きすること(財産目録だけはパソコン作成でもOK)

  • 日付、氏名を必ず書くこと

  • 押印(認印でもOKですが、できれば実印が良い)すること

この3つがきちんと守られていれば、自筆証書遺言は立派な遺言書として認められます。
ただし、書き方に不備があると、いざというときに使えないこともあるので注意が必要です。

最近では、法務局で自筆証書遺言を預かってもらえる「遺言書保管制度」もできました。
この制度を使えば、遺言書がきちんと保管されるので、紛失や改ざんの心配がぐっと減ります。
「自分で書くのはちょっと不安…」という場合は、行政書士などの専門家にアドバイスをもらいながら作成するのもおすすめです。

最後のステップ、公正証書遺言へ

そして、最終的に目指したいのが「公正証書遺言」です。
これは、公証役場で公証人に作成してもらう正式な遺言書。
形式の不備で無効になる心配がほとんどなく、何より第三者が関わっているため、信頼性がとても高いです。

公正証書遺言を作成するには、

  • 作りたい内容を整理する

  • 必要な資料(戸籍謄本や財産の資料など)を集める

  • 証人2人を用意する(知人に頼むか、紹介してもらえます)

などの手間がかかりますが、それでも
「確実に思いを伝えたい」
「家族の負担を減らしたい」
と考えるなら、とても心強い選択肢です。

費用は内容によって変わりますが、一般的には数万円~十数万円程度。
大切な想いを守るための投資と考えれば、決して高すぎるものではないかもしれません。

まとめ ~一歩ずつ、わたしらしく~

エンディングノートを書く。
自筆証書遺言を作ってみる。
そして、必要に応じて公正証書遺言を作る。

この順番で進めていけば、
「何から手をつけたらいいかわからない」
という不安は、いつの間にか小さくなっているはずです。

最初から完璧を目指さなくても大丈夫。
少しずつ、自分の気持ちに向き合っていきましょう。

未来に向けて、大切な人たちへの「わたしからの手紙」。
そんな気持ちで、気軽にはじめてみてくださいね。

エンディングノートや遺言について、ちょっとしたご相談も歓迎しています。

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